香川県で生産が盛んな春野菜、アスパラガスの出荷が始まっています。生産コストの上昇などで卸売価格の値上げに踏み切った農園もあります。
(松木梨菜リポート)
「こちらのアスパラは背丈が30cmほどまで成長しています。この農園ではこれから出荷の最盛期を迎えるということです」
高松市川部町の「のぐふぁーむ」では香川県オリジナル品種のアスパラガス「さぬきのめざめ」を栽培しています。根元まで柔らかく通常のものより甘みが強いのが特徴です。
3月下旬から4月半ばまで出荷の最盛期を迎え、香川県内のスーパーや飲食店、県外の百貨店などに約3tを出荷予定です。
こちらの農園では、2024年は卸売価格を2023年より1割ほどアップしました。その理由は……?
(のぐふぁーむ/野口拓朗 代表)
「生活してて月々の固定費が上がっているのを実感してるんで、従業員の人も負担額は上がっていると思うので、カバーできるぐらい賃金、給料も上げていきたいと考えています」
(松木梨菜リポート)
「こちらの部屋では収穫したものを大きさごとに分けるなどして出荷作業を行っています」
物価高騰が続く中、野口さんはパート従業員も含めて合わせて7人の給料を2023年10月、数%上げました。
さらに、今後の懸念も……。
(のぐふぁーむ/野口拓朗 代表)
「輸送コストが上がってしまうので、関西圏にも出荷をしているので、品物の単価にのってきてしまうというか」
4月から物流を担うトラックドライバーにも時間外労働の上限が課され、人手不足により輸送コストが上がると予想されています。
(のぐふぁーむ/野口拓朗 代表)
「値段設定にしても葛藤というか、このぐらいほしいけど、ここまでいったら売れないかなみたいな。深刻に考えさせてもらっています」
香川県産のアスパラガスはまだ出荷が始まったばかりで、今のところ目に見えて小売価格が上がってはいないようですが、市場の卸売業者の一つ、高松青果によると産地からは人件費や輸送コストの高騰で取引価格を上げたいという相談は寄せられているということです。