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【特集】5年ぶりのこんぴら歌舞伎で琴平町ににぎわい戻る 国際線再開も後押し 香川

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 讃岐路に春を告げる「四国こんぴら歌舞伎大芝居」。5年ぶりの上演に、香川県琴平町は町中に活気が戻ってきています。

(記者リポート)
「こんぴら歌舞伎が復活して2回目の週末を迎えました。大勢の観光客であふれています」

 表参道には大勢の観光客が……。

(静岡からの観光客)
「なかなかの石段ですね。歩きがいがありました、初めてなもので。(Q.のぼりの雰囲気いかがですか?)常にあるものだと思っていて、風情があっていいなあと思いました」

 「四国こんぴら歌舞伎大芝居」の開幕前日。出演者が顔見せをする「お練り」には約2万2000人が集まり、沿道を埋め尽くしました。

(見物客は―)
「久しぶりに町全体が華やいで、楽しい雰囲気で遊ばしてもらっています」
「染五郎さん、色っぽくて、ちょっと緊張しました」

(中村雀右衛門さん)
「久しぶりのお練りもちょっと興奮しております」

(中村鴈治郎さん)
「何か違うね、他のところのお練りと。ゆったりと時間が流れているような、でも盛り上がっているので熱いね」

 1985年に始まった「こんぴら歌舞伎」は芝居小屋の耐震工事と新型コロナウイルスの影響で2020年から中断していました。5年ぶりに復活した春の風物詩に満開の桜が花を添えます。

(歌舞伎を見に来た人は―)
「コロナで中断、前は毎年来ていましたので」
「幸四郎さんとか染五郎さんとか楽しみにしています」

 松本幸四郎さんや中村鴈次郎さんらが登場すると会場からは割れんばかりの拍手が起きます。

 「羽衣」の演目では天女役の中村雀右衛門さんがふわりと宙に舞い上がり、ひときわ大きな歓声に包まれていました。

 「こんぴら歌舞伎」の特徴は何といっても役者と客の距離が近いことです。

 舞台となる芝居小屋「旧金毘羅大芝居」、通称「金丸座」は現存する日本最古の芝居小屋で、天保6年(1835年)に建てられました。時代の移り変わりとともに廃館になりましたが1970年に国の重要文化財に指定され、その後、復元されました。

 5年ぶりの歌舞伎に、町の旅館や飲食店などもにぎわいをみせています。

 老舗旅館の紅梅亭は4月5日から21日までの上演期間中、約70ある部屋は満室。ゴールデンウィークも予約でほとんど埋まっているそうです。

(紅梅亭/多田孝之 支配人)
「コロナで全くお客さんがなかった時期に比べたら、今全く変わりましたね。一年中通してお客さんが来てくれるのが一番と思います。いろいろ企画を立てていきますので、どんどん琴平に来てほしいと思います」

 香川県によると、琴平町を訪れた観光客の数は瀬戸大橋が開通した1988年の520万人をピークに減少傾向です。

 新型コロナの影響を受けた2021年は約97万人で、1987年の統計開始から初めて100万人を割り込みました。

 観光地・琴平の復活へ。「こんぴら歌舞伎」に加え、高松空港の国際線4路線が運航を再開したことでコロナ禍前のにぎわいが戻ってきているといいます。

(香港からの観光客)
「人が多いですね(Q.四国を選んだ理由は?)ドライブでいろんな見たことがないところに行きたい。京都は人が多い。ここは旅行しやすい」

(中野うどん学校/中野正宏 取締役)
「台湾のお客さまが特に多数お越しいただいていて、韓国のお客さまであったり、香港のお客さまであったり、たくさんの海外のお客さまに来ていただいております」

 表参道にある「中野うどん学校」では、2024年に入ってうどん作りを体験する外国人観光客が増えているそうです。

(中野うどん学校/中野正宏 取締役)
「もうコロナ前に戻っているというくらいお客さまは来ております。5年ぶりにこの光景が見られることがとても幸せに感じます」

(土産物店の店主)
「長かったですね。やっぱりコロナが長かったですから。今からは国内はもちろんですけど海外の方に琴平もPRして発信しないと。ヨーロッパ方面とかね」

 上演も残り6日間。熱気と声援が役者を後押しし、熱い演技が観客を魅了します。

(琴平町/片岡英樹 町長)
「実際、もう1回できるのかっていう正直不安がありました。町全体が歌舞伎の町一色になっていますので、小屋が華やかでお客さんがみんな泣いて笑って拍手して喜んでいただいていて、こうじゃなきゃ金丸座はだめだなとつくづく実感しました」と

 参道近くの商店街。精肉店には惣菜を求めて地元の人や観光客がやってきます。

(平岡精肉店/平岡美津枝さん)
「当たり前が当たり前でなくなったときに初めて分かる、ずっと続いてほしいです」

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