鉛筆だけで描かれたボルトとナットの絵がSNSなどで話題になった岡山在住の作家、大森浩平さんの初めての個展が開かれています。
実物を見て、目を凝らして見ても……。
(訪れた人)
「いや、これはもうびっくりですね。写真ですわ」
左右に並ぶ、鉛筆画とモチーフとなったビール缶。一目見ただけでは区別がつきません。
瀬戸内市立美術館で開かれている岡山市出身の鉛筆画家・大森浩平さんの個展では、身の回りの物などを繊細なタッチで描いた15作品を紹介しています。
ボルトとナットを描いた作品(2017年)は、制作に約280時間かけたという大作です。金属部品の生々しい質感と水滴のみずみずしさが表現されています。
腕時計を描いた最新作(2023年)は、フルメタルのずっしりとした重さが伝わってきます。
(訪れた人)
「質感なんかが、実際、こういうネジってこういう起伏があったりすると思うんですよ。素晴らしいと思います」
(記者リポート)
「鏡のように周りのもの全てがうつり込むティーポットですが、こちらの作品にはモチーフを撮影する作者自信が描かれています」
訪れた人「現物見ながら書くんですか」
大森浩平さん「顔の位置とか外の天候とかで表情が変わっちゃうんで、(現物を)一度写真に固定してそれを見ながら描いています」
大森さんが使う鉛筆はHから4Bまでの7種類。濃淡や細かさといった表現によって使い分けています。
(鉛筆画家/大森浩平さん)
「何が映り込むかだったり、その一瞬を鉛筆の線が感じられないように忠実に描くことにこだわっています」
「鉛筆画 大森浩平展ー画家は機械を超越するー」は6月30日まで開かれています。