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【阪神淡路大震災30年】「過去に学び、備えを」被災した僧侶が祈りに込めた思い 香川・小豆島

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 阪神淡路大震災の発災から30年です。香川県の小豆島の寺では犠牲者の冥福を祈る法要が行われました。僧侶の男性は当時、兵庫県で被災。男性が祈りに込めた思いとは。

(西之瀧龍水寺 僧侶/小林龍應さん)
「今ここに、大震災30周年に当たり、追悼追善の法要を営む」

 阪神淡路大震災の発生時刻午前5時46分、小豆島霊場第42番札所西之瀧龍水寺では、犠牲者を追悼する法要が行われました。僧侶の小林龍應さんは78歳。定年退職してから僧侶となり、2009年に瀬戸内海を一望できるこの寺に入りました。

 阪神淡路大震災が発生した時、小林さんは兵庫県西宮市の酒造会社に勤めていて、同僚や取引先の人が亡くなりました。

(西之瀧龍水寺 僧侶/小林龍應さん)
「今まで見たこともないような光景でしたし、少なくとも、知り合いの人たちを助けないといけない。助けるにしても、どうやって助けるかわからない。ただ、(倒壊した)木造の建物が多かったので、のこぎりとバールとジャッキ、そういうものがあれば、ずいぶんと助けられた人が多かったのかなと」

 小林さんは、入山した翌年から毎年、追悼の法要を行っていて、2025年で16回目。当初は「知り合いをはじめ、犠牲者を供養したい」という思いが強かったそうですが、ここ数年で、気持ちに変化があったといいます。

(西之瀧龍水寺 僧侶/小林龍應さん)
「震災とか、そういうものに対する追悼は、亡くなられた人の伝言を聞く、亡くなられた方が教えてくれていることを学ぶ、そういう場所・機会になるのかなと思う」

 阪神淡路大震災から30年。小林さんは、過去に学びつつ、いつ起こるか分からない南海トラフ地震に備えて、発災時のシミュレーションの重要性を参列者に語りかけました。

(西之瀧龍水寺 僧侶/小林龍應さん)
「災害が起きた時のその時の対応と、そのあとどうやって逃げるか。そのシミュレーションを常日頃やっておくことによって、救われる命、あるいは、自分自身を救える。それが大きな力になる」

(参列者)
「備えというのは、常に思い出すこと、忘れないということだと思うので、何かあったらどう動くということは考えるようにしている」

(西之瀧龍水寺 僧侶/小林龍應さん)
「尊い犠牲によって教えられること、そういったことを新たにして、できるだけ犠牲者を少なくしていくそういう努力が大事だと思います」

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