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赤ちゃん3人遺棄1人殺害の罪…母親の当時の心理状況は 産婦人科医らの証人尋問「八方ふさがりだったと思う」

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 高松地裁では3人の赤ちゃんの遺体を遺棄し、うち1人を殺害した罪に問われた女の裁判員裁判が行われています。19日は孤立出産に詳しい産婦人科医と社会福祉士への証人尋問が行われました。

 起訴状などによりますと、高松市の元風俗店従業員の女(36)は2020年、自宅で産んだ男の赤ちゃんの鼻と口をタオルで覆って殺害し、押し入れに遺棄した罪に問われています。

 また、死産した男の赤ちゃんと何らかの原因で死亡した男の赤ちゃんの遺体を押し入れの中に放置し遺棄したとされています。

 被告は起訴内容を認めていて、量刑が争点になっています。

 19日は証人尋問があり、親が育てられない子どもを預かる、いわゆる「赤ちゃんポスト」を導入する熊本県の慈恵病院の院長で、産婦人科医の蓮田健さんが弁護側の証人として立ちました。

 蓮田さんは、孤立出産に至った被告の心理状況について、「彼女にとっては、赤ちゃんポストが唯一の解決策だったと思うが、電気も止まって、八方ふさがりだったと思う」と話しました。

 また、女の今後の福祉的支援について、「更生支援計画」を立てた社会福祉士も弁護側の証人として出廷。

 被告のADHDの障害特性に加え、自己肯定感の低さ、対人関係の維持に困難さがあることを踏まえて、安全な住居の確保や就労の継続、精神科への通院などが必要だと話しました。

 そして、「被告が、面会するたびに、『自分によくしてくれて』と涙を流していた」と明かし、「相談すること、他人とつながることの重要性を認識したと思うので、うまく人に頼りながら生活していってほしい」と話しました。

 判決は21日に言い渡されます。

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