岡山県は19日、倉敷市の小田川河川敷の9カ所で特定外来生物ナガエツルノゲイトウ(ヒユ科ツルノゲイトウ属)が確認されたと発表した。岡山県では初確認。それぞれ群落の規模は1~9㎡ほど。1月下旬に実施した国土交通省岡山河川事務所の調査などによるもの。
岡山県、倉敷市、環境省中国四国地方環境事務所などは協力して防除・駆除方法などを検討し、4月以降、実施する。あわせて周辺でモニタリングを行う。
特定外来生物は外来生物法により、生きたままの移動、持ち帰り、栽培などが禁止されている。許可なく栽培や販売をした場合、最大で3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金(個人の場合)の可能性がある。
環境省は、刈り取るなどした場合も根や茎が生きていれば根や茎などの破片から再生し、却って分布を広げ増えてしまう恐れがあるとしている。農地であれば農薬などで除草する方法もある、農地以外であればむやみに刈り取らず自治体に相談してほしいとしている。
【ナガエツルノゲイトウ】
南米原産のヒユ科の水草。日本での定着記録は、1989年に兵庫県尼崎市の水田の縁で見つかった記録がある。2005年に外来生物法に基づく特定外来生物に指定。日本国内では2025年2月20日時点で27都府県(岡山県含む)で確認されている。
根は水底に張るが葉や茎が水上に出る抽水植物で、湖沼・河川・水路・水田などに大群落を形成するが、やや乾燥した場所など幅広い環境に適応する。繁殖力は旺盛で茎や根の断片からも再生し、一旦定着すると根絶は容易ではない。花期は5~10月で直径約1.5cmの白い花をつける。
河川敷などで見かける近縁種のホソバツルノゲイトウ(帰化植物)、田んぼなどで見かけるシロツメクサ(帰化植物)、スベリヒユ、タカサブロウなどと間違えられるケースがある。