内閣府は南海トラフ巨大地震の被害想定を見直しました。香川県の死者は前回の想定より900人増え、約4400人になりました。その要因とは?
内閣府は2012年に発表した南海トラフ巨大地震の被害想定を見直しました。
香川県内の最大震度は前回の想定と変わらず、観音寺市と東かがわ市、三豊市の震度7で、それ以外は震度6強です。
しかし、県内の死者は前回の想定よりも900人ほど増え、約4400人になりました。
その要因としてあがっているのが「津波を原因とする被害が増えること」。想定される最大の津波の高さは三豊市で最も高くなりました。
(松木梨菜リポート)
「春休み中ということもあって観光地の父母ヶ浜には多くの観光客が訪れています。こちらも含めて三豊市には最大で5mの津波が押し寄せると想定されています」
三豊市は前回の想定で4mでしたが、新たな想定では1m高くなりました。
近くのコーヒースタンドで働く市民は―
(三豊市民)
「純粋に怖いですよね。1mの津波でも人は簡単に流されると聞いたことがあるので」
県外からの観光客も危機感を募らせます。
(観光客[神戸から])
「東北の震災の時でも映像を見た限りでは一瞬にして飲み込まれてたので怖いです」
(観光客[島根から])
「車を置いてでも、とにかく上に逃げるしかないかなと思います」
さらに津波による浸水の深さが30cm以上となる面積は香川県全体で最大で3710haと、前回の倍になりました。
市町村別では、善通寺市、三木町、綾川町琴平町、まんのう町を除く12の市や町のうち、東かがわ市を除く11の市や町で増加しました。
県内で最も高い津波が想定されている三豊市では約4倍になりました。
(香川県 危機管理課/籔根正浩 課長補佐)
「一般的に30cm水が上がってくると、災害が発生したときに避難することができなくなると言われています」
今回の内閣府の見直しを踏まえ、香川県は県独自の被害想定を2025年7月ごろをめどに公表したいとしています。
(香川県 危機管理課/籔根正浩 課長補佐)
「震度分布、津波高、浸水域の推計ってところ、県民の皆様に一番影響のあるところをより精度の高い形で推計した上で、今後の対策、防災減災対策にいかしていけるようなものにしていくことが大事だと県としては思っています」
今回の見直しについて池田知事は。
(香川県/池田豊人 知事)
「浸水被害が前回よりも大きくなるところについては避難の在り方、そして対策の強化について考えていきたいと思う」