公園の樹木はよく見ると個性的でおもしろい。
岡山市北区の岡山県総合グラウンドで、ドングリの仲間「スダジイ」の花が咲いている。が、「咲いている」と表現してよいか、やや悩ましい…。
スダジイの花期はだいたい5月中旬~6月。花とは言っても見た目は非常に地味で、気に掛ける人はおそらくごく少ない。花すら認識されていないかもしれない、、、。同じ樹木でも桜や藤、椿などと違いテレビのニュースで取り上げられることは極めて「まれ」、SNSで「映え」写真などとして投稿を見かけることは、ない。。
スダジイには、1本の株に「雄花」と「雌花」が、それぞれ咲く。このような花の付け方を「雌雄同株」という。雄花は、目立たない黄緑色で細いブラシが垂れたような形をしている。一方、雌花はけし粒のように小さな球から3つ突起が出た、およそ花とは思えない不可思議な姿をしている。(突起は「柱頭」という雌しべの一部)
スタジイの花は、昆虫が媒介して受粉する虫媒花(ちゅうばいか)。こんなに、ひかえめな花で虫にアピールできるのかと、思わず心配になってくるが、その分、強い香りを発して虫を誘う。そのにおいは、人の鼻には、タケノコのようともクリのようとも言われる。
秋に実るスダジイの実は「シイの実」などとも呼ばれ、かつては焼き菓子の材料などによく使われた。スダジイは岡山県総合グラウンドの「スポーツの森」 周辺にたくさんある。周辺で散策すると、タケノコのような香りがするかもしれない。親子で観察して、自由研究のテーマにするのもおすすめしたい。