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俳優・松山ケンイチが瀬戸芸総合ディレクター・北川フラムと対談 アートが地域にもたらすものは…

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 9月28日(日)の午後4時30分からKSB瀬戸内海放送で放送する特別番組「魔法にかかった島々 ~松山ケンイチと瀬戸内国際芸術祭~」
 この番組に出演し、ナレーションも担当した俳優の松山ケンイチさんが瀬戸内国際芸術祭の総合ディレクター・北川フラムさんと対談。アートと地域について熱く語りました。

松山ケンイチさん(松)
「2010年に瀬戸内国際芸術祭始まったと思うんですけど、もともとその島々って芸術が詰まっていたわけではなかったんですよね?」
北川フラムさん(北)
「そうですね。でも直島っていう島は10年ぐらい美術的な活動をやってきていて、それが最初の起点にはなっている。で、芸術祭みたいなことをやって過疎になっている島を元気にできないか……ということを香川県の知事とかが考えられて、それでやりだしたんですね。
もう最初は何もわからなくて『やれればいいな』とか『3年後にやれるといいな』と思っていたわけですが、やっていく中でちょっとびっくりしました」

松「何もなかったところに、アートというある意味『異物』みたいな部分があるじゃないですか」
北「最初アートっていうと『奇妙奇天烈なもの』とか、『爆発』だとか不思議に思っているわけです。なんか変わっていると思ってみんな抵抗を示す。
アーティストってちょっと変わった人が来るんじゃないか…とか言うんだけれども、アーティストもここへ来ると、棚田とか曲がりくねった坂道とかそういうものが面白いと思うんですね。
その変わったものの良さみたいなものを大きくするというか、磨くというか。それが来るお客さんにも伝わるし、地域の人たちも、ただ棚田で労働するのが大変だと思っていることが、こんなにみんな喜んでくれるならやりがいがあるなとか、そういうふうに思いだして。
そういう楽しさとか爽やかさは地域にはいっぱい本当は詰まっているんですね。それを発見するのがアーティストだった……そういう感じで」

松「やっぱり地元の方たちって、普段見ている景色が『自分の生活の景色』だったりするので、そこに『評価』がない。美しさだったりが当たり前にある風景なので」
北「つらさばっかりがきちゃうんですね。こんないいところあるんだということをもう一度再発見して、誇りを持ち始めたっていうことが大きいですね」

松「こういうふうにアートの力を使っていろんな人が来ることで、お金の部分もそうだし、この地域を残したいと移住される方も来るかもしれないし、すごくうまい具合にかみ合ってきているのかなという印象があります」
北「男木島っていうのは本当に人口の約4割が新しく来られた人たちで、そういう意味ではつながってきたということがありますね」
松「増えていってるんですよね」
北「そう、いったん無くなった学校が復活したというのは本当にびっくりしましたね。だから僕はいまだにPTAみたいな気分でいる」

松「地域の過疎化だったり高齢化に対して、アートが加わることで地域の保全だったりにつながってくると思ったんですよね。
なんかアートの力をすごく感じましたし、まだまだ日本の中でも過疎化していっている地域ってめちゃくちゃあると思うので、自然を生かした、現地の人たちも生かされた……何かそういう取り組み・仕組みみたいなものが出来上がるヒントみたいなものが瀬戸芸には詰まっているなと思います」
北「ありがとうございます。アートっていうのは、美しいとか爽やかだとか楽しいとか、そういう面を人に感じさせてくれるもんだと思うんですね。ですから島の人も来られる人も、ここへ来るとなんか空間全体のいい面とかが伝わってくるようになってきたということですね。そういう意味ではアートって不思議な『魔法』みたいなところがあるんじゃないかと思っています」

(2025年9月25日放送「News Park KSB」より)

特別番組「魔法にかかった島々」特設HP

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