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電子投票はなぜ普及しない?投票用紙がツルツルなのは? 法学部の教授に聞く「選挙」の疑問【みんなのハテナ】

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 Park KSBアプリに寄せられた疑問をもとにお伝えする「みんなのハテナ」。今回のテーマは「選挙」です。専門家に聞いてきました。

 答えてくれたのは香川大学法学部の堤英敬教授です。

選挙に必要な道具は?(岡山・南区 MIKKI 67歳)

(香川大学法学部/堤 英敬 教授)
「選挙においては七つ道具があると言われています」

 七つ道具とは、選挙活動のために選挙管理委員会が候補者に無料で配る物資のこと。事務所の標札、選挙カーなどに付ける表示板などの7つです。

 これらは、法律で表示や着用が義務となっているのですが、なぜこの「七つ道具」が配られ、使用が義務付けられているのでしょうか?

 ポイントとなるのは「公正さの確保」です。

(香川大学法学部/堤 英敬 教授)
「お金がたくさんあったり、あるいは多くの人に支援してもらえるような人はお金をたくさんかけて、例えばたくさん選挙カーを走らせるなど、多くの人と接触するということが可能になる。財力やネットワークによって差がついてしまう」

 資金の差などで選挙活動に差が付くのを防ぐのが目的だということです。

投票用紙がツルツルなのはなぜ?(岡山・北区 ひろろ 43歳)

(香川大学法学部/堤 英敬 教授)
「実は投票用紙は投票『用紙』とは言っていますが『紙』ではないんですね。ものすごく簡単に言うとプラスチックでできています」

 なぜ素材が違うのか。その理由は「開票作業のしやすさ」にありました。

(香川大学法学部/堤 英敬 教授)
「候補者の名前を書いたら折りたたんで投票すると思いますが、すぐに開くような素材で作られているんですね。開票をするときにいちいち投票用紙を開いて『誰に投票していますね』という作業をするのは非常に手間なので、最初から開いた状態になるように、ということでプラスチックでできた投票用紙が使われています」

 また、投票所に鉛筆が置かれている理由もこの投票用紙が関係しているんです。

(香川大学法学部/堤 英敬 教授)
「ボールペンだとインクがにじんでしまう。他方で鉛筆の方が素材に対して相性が良くハッキリ文字が見える」

 法律で鉛筆で書くことを定めているわけではないそうですが、きちんと理由があるんですね。

電子投票は普及しないの?(倉敷市 やゆ 28歳)

 電子投票は地方選挙では使用が認められています。

 香川県善通寺市では電子投票の導入を目指して、1月、タブレット端末を使っての体験会が行われました。

 また、現在は行われていませんが、2002年には全国で初めて岡山県新見市が市長選と市議選で電子投票を実施。

 手作業となる不在者投票分を除くと開票時間はわずか25分。人員や時間が削減できることや、疑問票などが発生しないため投票する人の意見を確実に反映できるなどのメリットはありそうですが、なぜ国政選挙では導入されないのでしょうか。

 考えられる理由の1つは金銭面です。

(香川大学法学部/堤 英敬 教授)
「そのための機材が必要になります。タダというわけにはいきませんので、その費用が選挙にかかるコストを引き下げた分でまかなえるかというところが課題になってくる」

 堤教授は、セキュリティ面にも課題があるとしています。

 2003年、岐阜県可児市で電子投票での市議選挙が行われましたが、サーバーが止まってしまう不具合が発生し、一時的に投票できない事態に。後に裁判となり、選挙は無効となりました。

(香川大学法学部/堤 英敬 教授)
「何らかの理由でシステムが攻撃されたり不具合があった場合、非常に大きな影響が及んでしまう。そうした不安を十分に払拭できるかというと、現段階で全国の多くの自治体が、大丈夫だというところまでは至っていないのが現状」

 ただ、今後は再び導入の可能性があるとしています。

(香川大学法学部/堤 英敬 教授)
「ここ10年くらいは実施されてこなかった、それが善通寺市もそうですけれども、導入してはどうかという動きが出ているので、今後普及するかもしれませんし、もし多くの自治体で導入するということになったら国政選挙にも広がっていくかもしれない。そういう未来はありうる」

(2026年2月5日放送「News Park KSB」より)

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