暮らしに密着した経済の話題を取り上げる「暮らし×経済」です。2027年も県が3月開催に向けて準備を進める考えを示した第1回「かがわマラソン」についてです。大規模な交通規制の影響や経済効果は?
交通規制の影響を受けた店も
かがわマラソンの開催に伴い、県内では大規模な交通規制を実施、車社会である香川県だからこそ影響を受けたところもありました。
3月15日、初めて開かれた「かがわマラソン」開催に伴い、当日は高松市の主要道路など、合わせて8時間半の交通規制が行われました。コースの近くには車での来店が多い店もあり、マラソン当日に影響を受けたところもありました。
折り返し地点の香川県綾川町にある、イチゴ農園を併設するカフェもその一つです。通常、日曜日は駐車場が満車になるほどお客でにぎわうそうですが……。
(n cafe*n farm/西尾輝亮 店長)
「実際3組程度っていう感じでした。いつもだったら午前中でも結構忙しく駐車場がいっぱいになるときもあるし、この前(15日)なんか天気よかったからもっと来てもよかったかなと。日曜日の売り上げは結構うちもお客さんが増えるので1番大きいんですけど、その日にお客さんが減っちゃうとやっぱり店としては影響はでかい」
午後になり、カフェ近くの国道32号の交通規制が片側のみ解除されたため客足は増えたそうですが、売り上げは普段の半分ほどに落ち込んだということです。
この時期はイチゴが旬で、併設する農園で採れたイチゴを使ったスイーツを販売するなどより集客に力を入れています。
マラソンの開催で地元が活気づくのは喜ばしいことだとしながらもやはり集客への影響を心配しています。
(n cafe*n farm/西尾輝亮 店長)
「香川が盛り上がるようにやってくれているのはわかっているので、一緒に盛り上げるようにやっていけたらなとは思うんですけどね。やっぱり売り上げが不安定。売り上げがちょっとめどが立たないというところが懸念点」
コース近くの店では売り上げに影響を受けるところもあるため、沿道で特別販売のブースを設けるなど主催する県と県民らが知恵を出し合い何か対策がうまれたらと思います。
ホテル満室、売り上げ3割増……実際の経済効果は?
課題もある中でマラソン実施による経済効果はどれぐらいなのでしょうか。大会の総事業費は県の実行委員会によりますと約5億8000万円です。
全国から多くのランナーらを集めることができる「市民マラソン」。その大会数は全国で増加傾向にあります。
市民参加型スポーツの普及などに取り組む「アールビーズスポーツ財団」によりますとコロナ禍で中止が相次ぎ一時、大会数は大幅に減少しましたが、2024年度には92大会と、20年前と比べ1.8倍になりました。
地域イベントについて研究する香川大学の西中美和教授は、市民マラソンの開催は地域おこしの一助になると分析しています。
(香川大学地域マネジメント研究科/西中美和 教授)
「市民マラソンは非常に今人気で宣伝効果もあるかと思う。大きな大会になればなるほどメディアも取り上げますから、宣伝ということにもなるかと思いますし地域のブランドというのも生まれてくるかと。経済効果が出る、予算を超える経済効果が得られる、直接もあり波及効果もあります」
ランナーや応援者らの宿泊費や飲食代などにより、実際にどのくらいの経済効果を見込めるのでしょうか。
経済効果を試算する関西大学の宮本勝浩名誉教授によりますと、2024年度の市民マラソン大会の経済効果は1大会あたり約16.4億円あったということです。
かがわマラソンでは「県外ランナー」が全体の約7割を占めていたことから、高松市のホテルではうれしい悲鳴も……。
(WeBase高松/加藤隆憲 マネージャー)
「10月11月くらいにはもう満室に近い状態をいただいている。(3月は)集客っていう部分では少し落ち着きのある月なんですけれども、予約がたくさん入って非常にありがたいご予約の状況になっている」
2025年11月時点でほぼ満室になっていて、4カ月も前に予約が埋まるのは珍しいそうです。
このほか、ひと工夫で売り上げをアップさせたコース沿いの飲食店もありました。
(中華そば謹製『讃』~SAN~/田中健三 店主)
「8時から1時間前倒しすることで(普段)出勤するとかで来られない人も含めていつもより朝のお客さんが多かった」
さらに、店の前にテーブルを出して営業したところ、応援に来ていた人が続々と来店。売り上げが3割ほど増えたそうです。
(中華そば謹製『讃』~SAN~/田中健三 店主)
「臨時休業する店っていうのは多かったと思う。今回盛り上がったと思うので次回もやってほしいのですが、もう少し市とか県からのフォローがあればとかも思ったりします」
県は2027年も3月開催に向けて準備を進める考えを示す中、香川大学の西中教授によりますと、マラソン大会は各地で開催されているため集客の競争は激化しているそうです。
ランナーに選ばれる大会にするために、地域にとってもよりよい「おもてなし」方法を官民で探っていくことが成功の鍵になりそうです。
(2026年3月25日放送「News Park KSB」より)