違法な賭博行為につながるオンラインカジノが社会問題化しています。闇バイトとの関連も指摘されるなか、夫が抜け出せなくなってしまった女性が苦悩を語りました。
女性 「発覚するまでは絵に描いたような幸せな家庭だったと思うんです。それが次の給料が来るまでどうやって暮らしていけばいいか分からない」
幸せな日々が夫の借金によって一変したという40代の女性。異変に気付いたのは3年前でした。
女性 「(通帳の)記帳がずっとやまなくて、ずっとずっとジージージーって。夫に電話したら『あ、使いました』と言って、『ストレスがたまっていてギャンブルで使ってしまいました』って」
きっかけはコロナ禍を経て、急速に増えているオンラインカジノでした。
女性 「一時の気の迷いだと思っていて、病気だとは思っていなかった。賢い人だから言い聞かせれば分かると思っていたんですけど…」
大学院を出て、上場企業にも勤めていた女性の夫。給料やボーナスを使い果たすと、子どものお年玉や学資保険にまで手をつけましたが、借金は1000万円近くに…。購入していたマンションも手放しました。
そもそも、オンラインカジノで現金を賭けること自体が違法です。手軽にゲーム感覚で犯罪に手を染めてしまい、引き返せなくなるケースが多いと専門家は指摘します。
元検事 上原幹男弁護士 「『(サイトによっては)オンライン賭博はグレーゾーン』とあったりしますが、オンラインカジノは賭けごとですので、オンラインでも日本でやれば賭博罪にあたります」
女性の夫はギャンブル依存症の回復施設に入りましたが、そこからも逃げ出したといいます。
女性 「(Q.オンラインカジノによるギャンブルを一言でいうと?)崩壊ですかね」
警察庁によると、去年のオンラインカジノによる賭博事件の全国での摘発者は107人に上っています。
支援団体のもとには、お金に困って犯罪に手を染めてしまったという相談も寄せられています。
ギャンブル依存症問題を考える会 田中紀子代表 「特に(相談が)増えているのが『闇バイト』に加担してしまった、『受け子』や『出し子』をやってしまった」
女性は今年に入り、離婚が成立しました。同じような経験をしている人たちを前に講演を始めています。
講演する女性 「(オンラインカジノは)ゲームのように書いてあっても犯罪なんです。手軽に始められるから若い人への影響がとても心配です」