3日夜、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が国会での野党の対応などを理由として政党の活動などを禁止する戒厳令を発令しました。大統領は4日朝、戒厳令を解除しましたが混乱が続いています。韓国の国会前の現在の状況について報告です。
(河村聡記者報告) 国会前に集まった市民らは夜中からずっと正門の前でデモをしていたんですが、4日午前、国会の敷地内に入りました。国会議事堂の前の階段に並んで弾劾(だんがい)などを求めるプラカードを掲げています。
この後、大統領を糾弾するとして最大野党・共に民主党が開く臨時大会に参加するということです。
この場所は、野党が度々抗議デモを開く場所ではあるのですが、この規模で集まるのは極めて異例です。今も続々と抗議者は増えてきています。
突然の戒厳令で3日、国民には動揺が広がりましたが韓国メディアも今回の動きは完全に大統領の自滅行為で、「誰にも理解できない」と伝えています。
与党議員も含めた過半数で解除が議決されていることは目に見えていたと指摘し、低支持率と周辺での疑惑で八方ふさがりとなった大統領が極端なカードを切らざるを得なかったのではないかと伝えられています。
こうした動きを受けて、一気に「大統領弾劾が現実味を帯びた」という見方も持ち上がってきています。
野党側は早ければ4日には、大統領の弾劾訴追案を発議するとし、24時間から72時間以内の可決を目指すとしています。
尹大統領は解除が決まって以降、コメントを出していませんが、今後どういった形で国民に今回の経緯を説明するのか、注目が集まっています。