ガザ地区の停戦と人質解放の交渉が大詰めを迎えるなか、イスラム組織ハマス側が最終案に大筋で合意したとアメリカのメディアが報じました。
ウォール・ストリート・ジャーナルは14日、情報筋の話として、ハマスの最高指導者だったヤヒヤ・シンワル氏の弟が停戦や人質解放の最終案に大筋で合意したと伝えました。
イスラエルとハマスは仲介国とともに、合意に向けた詰めの協議を続けているとしています。
こうしたなか、ネタニヤフ首相は14日、ハマスによってガザ地区に捕らえられている人質の家族と面会し、「数時間での合意も可能だ」との見方を伝えたということです。
そのうえで、「ハマスからの回答を待っている」「合意できればただちに履行できる」とも述べたとしています。
仲介国カタールが提示した最終合意案では、第1段階として6週間の停戦期間を設けるとしています。
ハマスはガザ地区で拘束している人質33人を解放し、引き換えとしてイスラエルは収監しているパレスチナ囚人を釈放します。
ネタニヤフ首相は「人質全員を取り戻すまで、ガザから撤退しない」との考えも示していますが、98人いるとされる人質全員が対象となっていないため、家族からは「1人も置き去りにするな」と不満の声が上がったということです。
周辺国の動きも慌ただしくなっています。
中東のメディアはエジプト情報筋の話として、ガザ地区とエジプトの境界にあたるラファ検問所を数日以内に開ける準備をするよう公式の書簡を受け取ったと報じました。
イスラエルも解放される人質の受け入れのため病院などの準備を始めたとされています。
最終合意に向けた交渉が大詰めを迎える一方で、ガザ地区では14日もイスラエルの攻撃があり、24人が死亡しています。
イスラエル軍はハマスの拠点として利用されていたと主張し、1日で50以上の目標を空爆したとしています。