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米ウクライナ首脳会談決裂  約5分間の“公開口論”ノーカット

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日本時間1日未明に行われたトランプ大統領とゼレンスキー大統領。対面での首脳会談は、2期目となったトランプ大統領の就任後、初めて。穏やかに進むと見えた会談は、ロシアついて話が及ぶと一転、激しい口論となりました。

以下、やりとりの一部抜粋 ※映像ではノーカット

トランプ大統領 「君の今の立場は悪い。君は今カードを持っていないのだ。私たちと一緒であれば、君はカードを持つことができる」 ゼレンスキー大統領 「私たちはカード遊びなどしていない」 トランプ大統領 「今はカード(取引)の時間なのだ。君は何百万もの人々の命を賭けてギャンブルをしているのだ。第三次世界大戦のリスクでギャンブルをしている。第三次世界大戦の大ばくちだ。君がしていることはこの国に対して非常に失礼だ」

トランプ大統領 「君たちは勝っていない。勝てないのだ。私たちが力を貸せば、ウクライナは大丈夫になる可能性が非常に高い」 ゼレンスキー大統領 「大統領閣下、ウクライナの民は強さを保っています。戦争が始まった当初から、私たちは孤立しており、感謝しています。この政権に対し、感謝を表明します」 トランプ大統領 「もしウクライナが米軍の軍事装備を持っていなかったら、この戦争は2週間で終わっていただろう」 ゼレンスキー大統領 「プーチン大統領からそう聞いたのですね。3日で終わると」 トランプ大統領 「もっと短いかもしれんぞ」 ゼレンスキー大統領 「2週間で終わると、もちろん(プーチンなら)そう言うでしょう」 トランプ大統領 「この調子だと、ビジネスを行うのはとても難しいことになるな」 バンス副大統領 「お礼を言ってください」 ゼレンスキー大統領 「何度も言ったでしょう。アメリカ国民に『ありがとう』と」

会談は決裂し、このあと予定されていた共同記者会見は中止となりました。その後、ゼレンスキー大統領は、FOXニュースの番組に出演。

FOXニュース キャスター 「今日起きたことを後悔していますか?」 ゼレンスキー大統領 「はい、良くなかったと思います」 FOXニュース キャスター 「ドナルド・トランプ大統領との関係は今後、修復できると思いますか?」 ゼレンスキー大統領 「はい、もちろんです。なぜならそれは二人の大統領である以上の関係だからです。両国の国民は歴史的な、強い関係で結ばれています」

トランプ大統領は、記者団の取材に応じました。

記者 「ゼレンスキーと話し合いを再開させるには何が必要?」 トランプ大統領 「彼は『私は平和を望んでいる』と言わなければならない。プーチンについてあれこれ言う必要はない。彼の国民は死んでいる。彼はカードを持っていない。それを理解してほしい」

これまで18兆円ほどの突出した支援をしてきたアメリカとの交渉決裂。どのような影響を及ぼすのか、筑波大学の東野教授に話を聞きました。

欧米政治に詳しい筑波大学・東野篤子教授 「今回の会談で大きな問題は、トランプ政権がウクライナ側の主張を全く理解していなかったことに対して、ゼレンスキー大統領は言い返さざるを得なかった状況にあるわけですね。なので、まだスタート地点にも立っていないということが明らかになったんだと思います。今後の展開としてすぐ予想されるのは、米ロの接近だと思います。ウクライナを相手にしてもしょうがないから、今度はアメリカとロシアとの間で停戦の話をもっと進めようという風に動くのが自然だと思います。ウクライナの選択肢はただ1つで、アメリカと一緒に何らかのかたちでの合意をして、それを将来的な安全の保証に少しでも結びつけることはできないかということで、あらゆるレベル、あらゆる手段を使って交渉を続けようとすると思います」

 ◇

高島彩キャスター: 交渉決裂という波乱の展開をみせたトランプ大統領とゼレンスキー大統領の首脳会談ですが、各国はどんな反応をしているんでしょうか。

板倉朋希アナウンサー: ロシアのメドベージェフ前大統領はSNSを通じて「トランプ氏は、ゼレンスキー氏が第三次世界大戦をもてあそんでいると、初めて真実を告げた。しかし、まだ十分ではない。“ネオナチ政権”への軍事支援をやめなければならない」と述べています。一方、フランスのマクロン大統領は「3年前にウクライナを支援し、ロシアに制裁を科したことは正しい措置で、我々は今後もそれを続ける。我々とはアメリカ、ヨーロッパ、カナダ、日本とその他多くの人々だ」と主張。その他、イギリスやドイツなどのヨーロッパ諸国やカナダなどもウクライナに連帯を示すコメントを出しています。

高島彩キャスター: 柳澤さんは、今回の決裂でウクライナ情勢はどうなると思いますか?

ジャーナリスト柳澤秀夫氏: 『停戦の現実味が遠のいた』ということは間違いないように思います。今回の会談決裂で改めてはっきりしたことは、安全保障に対するゼレンスキー大統領とトランプ大統領の考えの違い。ゼレンスキー大統領は「軍事力」、トランプ大統領は「経済的な関与」が安全の保証だと言ってるわけですが、トランプ政権が当事者抜きでロシアと話を進めることにブレーキをかけたという意味では、今回の決裂は実は意味があったように私は思います。

高島彩キャスター: アメリカとヨーロッパの溝も深まってきていように感じますが?

ジャーナリスト柳澤秀夫氏: ウクライナへの支援額は、アメリカが断トツです。アメリカがウクライナへの支援で後ろ向きになってしまうと、これはウクライナは当然ですが、ヨーロッパにとっても大変な事で相当危機感を強めていると思います。当面は停戦ではなく、ウクライナとアメリカの関係修復、溝をどうやって埋めるかが重要なカギになってくると思います。

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