必要がない工事契約を結び、80代の男性からリフォーム代をだまし取ったとして男が逮捕されました。身を守るため何に気を付ければいいのでしょうか。
■80代から210万円詐取で逮捕
逮捕された田實満成容疑者(25)ら2人は80代の男性の家を訪れた際、「屋根裏の点検をしたい。天井に水がたまって数カ所腐っている。家が住めなくなる」と不安をあおるような嘘で、その場で工事の契約を結ばせ、210万円を男性からだまし取ったといいます。
これは他人事ではありません。全国で相談件数は急増しています。
■突然の訪問 住民“危機一髪”
不審者は突然、現れ、巧みな言葉を使い、にこやかな顔で近寄ってきたといいます。
仙台市の住宅街。画面の右下、防犯カメラは突然、自宅に訪問してきた不審な若い男を捉えていました。
うっすらと聞こえてきたのは「住宅点検」という言葉。さらに、住宅リフォームの会話に出てきそうな「釘」も登場。
対応した住人男性によりますと、住宅の不備を見つけた内容の話だったといいます。
住人 「にこやかな顔で『裏のお宅に工事に来ている者だけど、屋根のトタンの釘が浮いているのを見たのでお知らせに来ました』と」
実際に近所では工事は行われておらず、専門業者による点検でも男性の住宅の屋根には問題は見つかりませんでした。
■工務店が“悪質業者”に警鐘
警察庁によりますと、悪質な訪問販売など特定商取引に関する相談件数は、去年は約1万7000件。前年に比べて1.5倍に増加。
都内の工務店には悪質な屋根の修理の相談が増えています。
アメニモマケズ工務店 山本満春社長 「『家の屋根がおかしいから、ちょっと見させてくれ』と屋根に上る。『応急処置をした』とこういう写真を見せる。その後に高額の見積書を持っていく」
瓦をわざとずらして修理を促したとみられるケースや屋根から釘が外れているとして修理を促したとみられるケースなどが目立つといいます。
“悪質リフォーム事件”の摘発件数は過去最多で、なかでも「匿名・流動型犯罪グループ」の関与が目立つといいます。
相談を受ける国民生活センターは対策を呼び掛けます。
国民生活センター 相談情報部 藤田樹さん 「普段、気にしない設備(分電盤・給湯器など)の点検を持ち掛け、交換を勧誘するような手口がみられる。複数の会社から見積をとって比較検討していただければと。その場では断っていただければと思います」
■消費者ホットライン188
誤って契約しても、特定商取引法上の訪問販売にあたれば一定期間内であれば契約を解除できます。
少しでも不安を感じたら消費者ホットライン「188」に相談するようにして下さい。