韓国軍の戦闘機2機の誤爆で、けが人は29人に増えました。なぜ2機の戦闘機が同じタイミングで誤爆したのか、専門家に聞きました。
■戦闘機2機 なぜ同時に誤爆?
その瞬間は防犯カメラに捉えられていました。走ってきた車の目の前で爆発が起きます。
撮影者 「なんてことだ。けが人が出たんじゃないか」
爆発があったのはソウル近郊の抱川(ポチョン)市。複数の住宅が崩れてしまいました。
地元住民 「最初は戦闘機がスンジン射撃場方面から飛んできたんです。しばらくしてドカンドカンと2発落ちました」
地元住民が直前に目撃したのは戦闘機。この事態を引き起こしたのは、韓国軍だったのです。
抱川市長 「訓練場で実施されている韓米連合射撃訓練中に砲弾が住宅に落ち、罪のない市民が重軽傷を負い、数軒の家屋と車両が破損する恐ろしい事故が発生しました」
韓国軍などの発表によりますと、訓練中の戦闘機2機がそれぞれ4発の爆弾を誤って訓練場の区域外に投下。住宅数軒などが損傷し、民間人15人、軍人14人の合わせて29人が重軽傷を負いました。
地元住民 「現場に行ってみると、半壊した家が4軒ほどあり、やけどなどでけが人も出ていました」
被害に遭った住宅では、窓ガラスが粉々に…。爆発の威力を物語っています。
地元住民 「これじゃあもう住めない。全部直さないと」
衝撃で台所の棚が開き、食器などが飛び出しました。
地元住民 「風圧でこうなった」
今回の訓練は来週から始まる米韓合同軍事演習に先立って韓国軍が行っていたもの。
軍の担当者 「パイロットの座標の入力ミスが原因だと把握しています」
韓国軍は1機目のパイロットが爆弾投下地点の座標を誤って入力したことが原因と説明。ただ、2機が同じタイミングで誤って爆弾を投下することは考えられるのでしょうか。
元空将 麗澤大学 織田邦男特別教授 「インプットする座標が間違っていたんだと思う。それをウイングマン、つまり2番機が確認するすべはない」
専門家によりますと、2番機が正しい座標を入力していたとしても実際に投下する位置と、そのタイミングは1番機に従うことになるといいます。
元空将 麗澤大学 織田邦男特別教授 「2番機はだいたい新米。1番機に付いていくので必死。余裕ない。ベテランは編隊を維持しながら、自分のインプットデータで確認できる」