岩手県大船渡市の山火事は現在も鎮火には至っていませんが、市は延焼の恐れがなくなったとして一部地域への避難指示を解除しました。
■火災10日「やっと帰れた」
山火事発生から10日目の7日、大船渡市では赤崎町の6つの地区について避難指示を解除しました。山火事発生後、避難指示が解除されるのは初めてです。
解除された地区で食料品店を営むマルサンミートの三浦力さんは、「やっと(帰って)来られたと思って安心している。夜、閉店間際に避難指示が出たから、それからずっとこの状態」と話します。
1週間前に慌てて避難をしたため、店内で販売していた惣菜はトレーに残ったまま、果物にはカビが生えてしまいました。店に電気は通っていたといいますが…。
三浦さん 「こういう生ものがだめ。日にち(賞味期限)があるんで。日数が何日もないですね、豆腐とかは廃棄…販売はできないね」
これから先の営業については不安も。
三浦さん 「これからどうやって商売しようかなって。お客さんの所も被災している人もいっぱいいる」 「(Q.営業はできたらやる?)とりあえずやる予定ではいます。ある程度頑張らないといけないので」
■今後の避難指示解除は慎重に判断
同じ地区に住む女性は東日本大震災後、やっとの思いで家を建てた矢先の避難指示だったといいます。
解除の対象地域の人 「これが焼けたら、もう仮設暮らしだなと思ってね。何よりもうれしい。最初のほうに飛んで帰ってきました。ここの土地の人たちは『ここ、いい場所なんだ』って。『津波が来なければいい場所なんだ』って言っていた矢先だったから、まさかこういうふうに。ありがたかったです、皆さんに(火を)消してもらってね」
市は、今後の避難指示の解除については、延焼の恐れがないことなどを確認したうえで、慎重に判断するとしています。
一方、岩手県は7日、山火事発生翌日に見つかった遺体について、90代の男性で、死因が焼死であると明らかにし、今回の火災で亡くなったとしています。
(「グッド!モーニング」2025年3月8日放送分より)