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トラック運転手の残業規制 働きやすくなるはずが…ドライバー不満 現場にひずみ

経済

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 去年4月にスタートしたトラック運転手の残業規制について、労働環境を改善して働き手を増やすはずが、現場では「逆効果になっている」という声も出ています。

■トラック運転手に密着取材

 21日午前6時、次々と出社してきたのは運送会社のトラック運転手たち。「2024年問題」と呼ばれる残業時間の上限規制が始まってまもなく1年となりますが…。

トラック運転手(20代) 「悪い印象のほうが多い」

トラック運転手(30代) 「2024年問題になっても適応していない会社が存在している。そっちに流れていっちゃうドライバーもいます」

 一体、何が起きているのでしょうか?トラック運転手の1人に密着しました。

 この会社の仕事は、海外から港に送られてきたコンテナを国内の荷主の拠点まで届けることです。

 長さ12メートル、重さ30トンのコンテナをつないで、この日は東京・有明から目的地の千葉まで輸送します。すると、近くまで来たところで…。

トラック運転手 古関竜也さん(27) 「10時半の40フィートのコンテナのドライバーなんですけど、ちょっと早いですか?」 「(電話を終えて)待機しますね、ここで。前便がいるっていうので」

 こうした待ち時間も、労働時間の一部です。去年4月から、残業できる時間に上限ができたことで、待機が長くなるほど運転に使える時間は少なくなります。

古関さん 「そもそもみんなトラックが好きで、運転が好きで、長距離とかもいっぱい行きたい。2024年問題のことを考えると、それができないので、対策していない会社に行こう(という人もいます)」

 1時間後、再び出発して現場に到着。今度は荷物を降ろすのにかかる2時間ほど待機します。

■残業規制でギリギリ出発「ストレス事故も」

 そのころ、運送会社の事務所では限られた労働時間のなかで、少しでも配達できるように運転手を効率よく割り振っていきます。ただ、ここにもリスクが生まれてきているといいます。

総和運輸 船橋謙一社長 「限られた時間でスタートしなきゃいけないとなると、どうしても渋滞にハマってしまう。そのストレスから事故につながることは大いにあると思う」

 残業規制が始まる前は、前もって道路がすいている時間に出発し、現場の近くで休憩することが多くありました。しかし、トータルの労働時間を減らすためには、なるべくギリギリで出発したほうがいいため、結果的に混み合う時間帯に焦って走る場面が増えたのです。

船橋社長 「『もうちょっと早く出たい』とか『ゆとりをもって運転したい』というのは聞きますね」

 残業は年960時間まで、1カ月だと80時間しかできません。総和運輸では、基本給を上げて歩合の割合を下げることで、残業が減っても手取りが下がらないようにしました。それでも…。

船橋社長 「自分が思っていたように走れてないっていうストレス。それによってドライバーが退社したりとか、今後もっと出てくると思う」

(「グッド!モーニング」2025年3月25日放送分より)

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