マグロの豊漁で静岡県の漁港が沸いています。「赤いダイヤ」とも呼ばれるミナミマグロの魅力に迫ります。
■「赤いダイヤ」美味しさの秘密
丼の上でひと際、存在感を放つのが「赤いダイヤ」のミナミマグロ。口に入れた瞬間、濃厚な旨みが広がります。
絶品のミナミマグロ。この春に食べるべき理由があるのです。
ミナミマグロが届くのは静岡県焼津港。全国屈指の水揚げ量を誇るマグロの町です。
マルイリフードサプライ 久保真也さん 「(Q.ここは冷凍庫?)この奥です」
冷凍庫の中にはマイナス60℃で保存されたミナミマグロがずらり。品質を保つため、極限の温度で保たれているのです。
マルイリフードサプライ 久保真也さん 「マイナス60℃じゃないと冷凍焼けしたり品質が落ちる」
港に隣接された加工場では熟練のスタッフが一つひとつ丁寧に解体しています。
マルイリフードサプライ 久保真也さん 「甘いです。ねっとりして甘いのがおいしい。特に赤身がおいしい」
その赤身には、きめ細かな脂と旨みが凝縮されています。
大トロ、中トロ、あぶり、一口ごとに違う顔を見せる贅沢なひと品。遠方からの客も絶えません。
名古屋から来た人(50代) 「うまい!名古屋です。ミナミマグロがおいしいらしい。口コミで色々、聞きました」
静岡県藤枝から来た人(40代) 「うまい!口の中でとろけるような、あとほんのり甘味が出てくる感じ」
おいしさの秘密は日本の裏側にありました。
マルイリフードサプライ 久保真也さん 「ミナミなので南半球で取れる。水温が冷たいところで取れた魚の方が脂が多く含まれておいしくなります」
実は、ミナミマグロはケープタウン沖やオーストラリア沖といった南半球の海に生息。南半球は今が脂が乗る冬の時期。つまり「旬」。これこそが今、食べるべき理由です。
マルイリフードサプライ 久保真也さん 「ミナミマグロは(漁獲)量が増えているのではないかと感じている。1割から2割くらい増えている。ミナミマグロはクロマグロの亜種ですが、味は甘味が強いのが1つの特徴」
高級マグロの「クロマグロ」と比べると、やや小ぶりですが味は同等。しかも、コスパは最高だといいます。
末廣鮨 親方 望月榮次さん(84) 「値段は本マグロ(クロマグロ)は、はるかに高い。ミナミマグロは今のところすごく安定している」
すし店「末廣鮨」では、クロマグロの仕入れ値が1キロあたり1万5000円から2万円。ミナミマグロは、その半額程度です。
捨てるところもありません。頭や尻尾の筋は「すじのあぶり」に。お手頃な価格で味わえる港町ならではの贅沢です。
70代の人 「甘くておいしい。日本一。本当においしいです。これ召し上がったら、きょう一日良いことあったなと思いますよ」
■今が旬!ミナミマグロの魅力
ミナミマグロ人気は静岡県だけにとどまりません。東京スカイツリーの足元、ソラマチには専門店も登場。
ニダイメ野口鮮魚店 東京スカイツリー店 野口貴弘店主 「(Q.脂の乗り具合は?)最高。もったいないくらい」
名物が「うまい丼」。希少部位の横隔膜やウニ、イクラをあしらった「海の宝石箱」です。
香港から来た夫婦(50) 「ベリーナイス。ベリーグッド」
さらに、ミナミマグロとクロマグロの食べ比べも人気。豊洲市場で仲卸も営むプロの目利きが厳選したミナミマグロを仕入れています。
70代の人 「他の刺し身はそれなりにおいしいが、ここは素直においしい」
赤いダイヤのミナミマグロ。旬の今、その魅力は最高潮に達しています。