どこかクラシックで、怪しげなキャラクターが登場します。2025年、生誕100周年のアメリカの絵本作家、エドワード・ゴーリーの原画を集めた展覧会が高松市美術館で開かれています。
会場には世界中に熱狂的なファンを持つエドワード・ゴーリーの原画など約250点が展示されています。
特に人気が高い「うろんな客」の主人公はペンギンのような生き物です。「うろん」とは正体が怪しく疑わしいことを指す言葉で、この名前のない生き物は、家庭の中の子どもの存在を暗示しているという説もあります。
白いドレスをまとい人形を抱いた女の子の作品のタイトルは「不幸な子供」です。お金持ちの家に生まれながらも、悲劇に見舞われ、ハッピーエンドを迎えられません。有名な「小公女」を皮肉った作品です。
風刺の効いたストーリーとモノクロの緻密な線画が魅力のエドワード・ゴーリーの絵本は、子どもだけでなく、現代を生きる「大人のためのおとぎ話」として読者の心をつかんできました。
(高松市美術館 学芸員/牧野裕二さん)
「ちょっと不気味であったりちょっと悲しい物語だったりするんですけど、絵柄がちょっとユーモラスだったりかわいらしいところがあってちょっとアンバランスなところがゴーリーの魅力だと言えるかもしれません」
この展覧会「エドワード・ゴーリーを巡る旅」は、6月8日まで開かれています。