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「市民の足」ロバを救う ガザの獣医“命がけ”で活動

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 パレスチナ自治区ガザでロバの治療にあたっている人たちがいます。診療所のスタッフは「ロバを救うことはガザの人々を救うことになる」と話します。

 ガザで9日、イスラエル軍の攻撃で、けがをした人たちが次々と病院に運ばれていました。

 けが人を乗せた台車を引いているのは、ロバです。

 古くから「市民の足」としてガザの人々を支えてきたロバは、避難民を運ぶ役割を担っています。

 しかし、ロバも戦闘で傷付くケースが相次いでいます。

移動診療所のリーダー サイフ・オールディンさん 「ロバがけがをした場合、一家は唯一の交通手段を失い、生活が困難になります。多くの人にとってロバはただの動物ではなく、生きるうえで欠かせないパートナーなのです」

 去年3月、イギリスの慈善団体の支援で、けがをしたロバを治療するための移動診療所が設立されました。

 ガザで暮らすサイフさんをリーダーに、5人のスタッフでこれまでにおよそ6000頭のロバを治療してきたといいます。

 しかし、その診療所も先月、イスラエル軍のミサイル攻撃を受け、道具や医薬品のほとんどを失いました。

移動診療所のリーダー サイフ・オールディンさん 「私たちは危険にさらされています。いつ命を落としてもおかしくありません。しかし、もし私たちがロバの治療を止めれば多くのロバが死にます。ロバが死んだら、誰が人々を助けるのでしょうか」

 活動を続ける支えとなったのは各国からの寄付でした。

 ネット上で被害を訴えたところ、1カ月でおよそ400万円が集まり、再び必要な物資をそろえることができました。

移動診療所のリーダー サイフ・オールディンさん 「私たちは諦めません。立ち止まりません。人々やロバために努力し、懸命に働く構えです。命を懸ける覚悟だってあるんです」

 サイフさんらは一日も早い停戦を願っています。

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