バングラデシュ暫定政権のトップでノーベル平和賞の受賞者のムハマド・ユヌス氏が都内で講演し、「新しい国を築くこと」が今の課題だと強調しました。
バングラデシュ暫定政権 ムハマド・ユヌス首席顧問 「(国を)以前とは異なる形で再構築しなければならない。司法も行政も警察もすべてが間違っていました。だからこそ『改革』と呼ぶのです」
バングラデシュでは去年、首相が辞任に追い込まれ、ユヌス氏が率いる暫定政権が発足しました。
バングラデシュ大使館が開催したセミナーに出席したユヌス氏は29日、去年8月の反政府デモで多数の若者が犠牲になったことについて触れ、「新しいバングラデシュを築くこと」が自身に託された課題だと指摘しました。
そのうえで、前政権の崩壊後、「日本が莫大な支援をしてくれた」と日本への謝意を述べました。
セミナーではバングラデシュの人材の雇用促進に向けた覚書の調印も行われ、ユヌス氏は「両国の関係を深める一歩だ」と期待を示しました。
ユヌス氏は貧困層に無担保で少額を融資する「グラミン銀行」を創設し、2006年にノーベル平和賞を受賞しています。