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コシヒカリ“3割安”で銘柄米いつからどこまで安くなる?

経済

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 新潟県産のコシヒカリがなんと3割安くなる。一体何が起きているのか。私たちの身近なスーパーでいつ安くなるのか調べてみました。

■店頭価格 いつ安く?

 随意契約の備蓄米放出からおよそ3週間。今、コメの価格はどうなっているのでしょうか。都内のコメ店を取材すると…。

 栃木県産のコメは5キロで3780円。福島県産のコシヒカリは税抜きで4000円を下回っています。そして、何よりも目立つのが値下げの表示です。

内田米店 内田幸男さん 「1万5000円くらい下がっている」

 内田米店では、業者間で直接行うスポット取引で大きな動きがあったそうです。

内田幸男さん 「ゴールデンウィークの頃は新潟のコシヒカリ玄米1等で60キロあたり、取引額5万円から5万1000円だったが、小泉大臣が就任する直前あたりはほぼ一緒。現在は3万5000円から3万6000円ぐらいで売り物が出ている」

 随意契約のコメが流通して買い手が減ったため、新潟産コシヒカリは先月8日の時点では60キロあたりおよそ5万円だったものが、今月19日には3万円台中盤と、3割ほど安くなっています。

■なぜ?新潟産コシヒカリ“3割安”

 店頭にもう一度目を向けると、新潟県産以外のコメがすでに安くなっていますが、どういうことなのでしょうか。

内田幸男さん 「新潟のコシヒカリはトップブランドで一番高い銘柄。これより上の取引価格は成立しないと思う。新潟のコシヒカリ以上の値段でスポット市場に売り物が出たとしても、買い手が付きにくい」 「(Q.新潟のコシヒカリより高いと売れない?)売りにくくなる。買いにくくなる。私たちも買えない」

 新潟県産コシヒカリの価格が下がると他の銘柄も連動して下がるといいます。

 新潟県でコシヒカリの生産をする宮内さんに一番と言われる理由を聞きました。

新潟県のコメ農家 宮内賢一さん(74) 「(Q.今年のコメは?)期待している。(作付け)面積も増えたし」

 ここでは年間、420トンのコメを生産。そのうちの8割がコシヒカリです。

宮内賢一さん 「新潟のコシヒカリは量的に一番多い。各県のコシヒカリ、全国のコメと比べると新潟県産が一番多いから、そのなかで一番栽培しているのはコシヒカリ。あとは品質が良い、新潟のコシヒカリは。基準になってそこが決まると、全国のランク付けが決まってくる。トップの新潟県産の米が決まると、あとの値段が順番に決まってくる」

 生産する立場として最近の値段をどう見ているのでしょうか。

宮内賢一さん 「去年の暮れになってからコメ不足の騒動が起きて、(60キロ)2万5000円が3万円になり、3万5000円になり、ついこないだまで4万円台にまでいくんじゃないか。4万円は高すぎる。我々の手元から4万円出ると、業者は5万円とか。そんなに高い値段は我々はいらないと」

 適正な価格で何よりも売れるということが重要だといいます。

■動き始めたコメ価格 次の課題は

 その価格について20日朝、小泉大臣は…。

小泉進次郎農水大臣 「地域別の価格でいうと、北海道と東北と信越で4000円台ではなく3000円台。 一番低いところでは信越が3662円。この広がりをどのようにこれから加速をさせて、結果、平均が3000円台になってくる。一日も早く近付けていくことが次の段階だろうなと」

 19日に農水省が新たに発表したコメ5キロあたりの全国平均価格は4046円。地域別にみると、北海道・東北・信越は3000円台で、関東から西の地域では、まだ平均価格が4000円を超えている状況です。

■関東でコメの平均3000円台はいつ?

 20日、東京・練馬のスーパーでは、店頭に並ぶコメは4500円を超えるものが目立ちます。

買い物客(80代) 「4000円になったら買う。安く買えるようになるといいけど」

 一方、同じコシヒカリでも新潟県産や茨城県産と比べても500円以上安い千葉県産。

アキダイ 秋葉弘道社長 「(Q.千葉県産のコシヒカリは?)これはスポット米なので、まさにきょうから売り始めたんですね」

 アキダイでも業者間でのスポット取引で仕入れたコメが。

秋葉弘道社長 「何カ月もスポット米なかった。4000円切るコメは最近なかった」

 コメ売り場で悩んでいた、こちらの男性。

買い物客(40代) 「(Q.千葉県産コシヒカリ?)ちょっと安くなった」

 徐々にではあるものの、小売りの現場もコメ値下がりの流れは感じています。

秋葉弘道社長 「税込みで4104円。久しぶりにこういう価格帯。スポット米も新潟のコシヒカリが下がっている。お米全体の値下がりが始まったといって過言ではない」

 スポット取引での価格の低下がみられるなか、通常の小売価格は今後どうなっていくのでしょうか。専門家は…。

日本総合研究所 チーフスペシャリスト 三輪泰史氏 「消費者が“どのくらい払えるか”が、スポット価格の動向に直接影響。スポット価格が2500円程まで下がる可能性。そうすると3500円ぐらいで店頭に並ぶ」

 三輪さんによりますと、この効果は2週間ほどで出てくると言います。

三輪泰史氏 「平均価格3000円台前半であれば、コメ農家は十分に収益確保できる。2026年の新米が出てくる時に3000円前半まで下げないと海外からのコメの輸入が止まらない状況になる。今年の8月~9月は3500円が一つの目安」

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