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“警察なりすまし詐欺”急増 ニセ警察官「カネムラ」手口は?

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 本物の警察手帳のように見えますが、実は偽物。「警視庁のカネムラ」を名乗り、2000万円以上をだまし取った手口の一部始終が明らかになりました。

■ニセ警察官「カネムラ」手口は?

 今年6月、北海道に住む70代の女性に電話を掛けたのはニセの警察官、“警視庁のカネムラ”を名乗る人物。

 これまでにカネムラと何度も電話のやり取りをしていた女性。身に覚えのない不正送金の疑いがあると説明され、無実を証明するためにお金を要求されていました。その金額は…。

ニセの警察官 警視庁“カネムラ” 「今、現段階で総計金額は私の記憶や証拠と録音がそろってますからまとめておきますと、最初の900万円、次に500万円、次に500万円、次に400万円、合計2300万円」

 この電話が掛かってきた時点で複数回にわたり、約2300万円をだまし取られていました。さらに…。

ニセの警察官 警視庁“カネムラ” 「きょうの現時点で金額500万円、間違いないですか?」

70代女性 「はい」

ニセの警察官 警視庁“カネムラ” 「きょうの500万円足すと2800万円。今、警視庁本部のほうでお預かりしている。きょう、またカワグチが向かっています。2時前にはそちらに着くと思います」

70代女性 「分かりました」

 女性の自宅に向かっているというカワグチという人物。追加で500万円をだまし取る話を進めていました。

 そのうえで、カネムラが念押ししたのは本物の警察や金融機関への“口止め”です。

ニセの警察官 警視庁“カネムラ” 「万が一、銀行から連絡が来た時は『終活のために現金を置いている』とか“言い訳”を考えておかないと、もし万が一(連絡が)来た時はそこだけは忘れないように」

70代女性 「はい」

ニセの警察官  警視庁“カネムラ” 「北海道警が関わることになると、私が違う警察署になりますから、情報を持って逃げられてしまうと(あなたのことを)勾留しなきゃいけないって話になると思うんですよ」

70代女性 「あぁ、そうですか」

 2000万円以上もだまし取られていた女性。このやり取りは、相談を受けた警察が“だまされたフリ作戦”で録音したものです。

ニセの警察官  警視庁“カネムラ” 「30分以内には(カワグチが)来ると思いますので、今回も事件に考慮して近所の目もありますから、捜査員は他にもいますけどカワグチ1人で自宅にお邪魔しますので」

 電話の直後、金を受け取りに来たのは大阪府に住む無職の57歳の男でした。男は警戒していた捜査員によって現行犯逮捕されました。

 この時、男はニセの警察手帳を所持していましたが、その作りはずさんなものでした。警部補を示す英語にスペルミス、本来「e」にすべきところが「c」になっています。

 今年の上半期だけでも警察官を騙る詐欺の被害額は全国で389億円と、特殊詐欺全体の6割以上を占めています。

 警察庁は「警察官が金銭を要求することは絶対にない」と注意を呼び掛けています。

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