詐欺被害防止に耳よりのアイテムです。相次ぐ特殊詐欺の被害を減らそうと、岡山市が防犯機能を備えた電話機の設置を補助しています。機能のポイントは「電話に出なくても済む」ことです。
岡山市中区に1人で住む電話機を設置した80歳の女性。今年7月、息子を名乗る電話でオレオレ詐欺の被害にあいました。
「180万…自分のことは自分で守らなきゃいけないなと思って。」
岡山県の今年度の振り込め詐欺の被害額は11月末現在で、4億4300万円と去年の同じ時期より2倍近くに増えています。なかでも被害者に直接電話をかけるオレオレ詐欺や、還付金等詐欺は年々手口が巧妙化しています。
(岡山県警 犯罪抑止対策室/橋野正明 室長) 「訴訟・裁判こういった単語を出して、こちらを不安にさせ時にはこちらの味方のように優しく語りかけてきます。電話に出ないことが一番なんですけども、一旦電話に出てしまいますと巧みな話術でこちらをだまそうとしてきます。」
岡山市は昨年度から、防犯機能がついた電話機を設置する市内の65歳以上のみの世帯に、購入金額の半分を補助する事業を行なっています。
(記者) 「私が特殊詐欺の犯人役になって非通知で電話を鳴らしてみます。」
しかし、電話は無音。
(記者) 「このようにかかってきた方は着信があっても音が鳴っていないんです。」
一方かけた側には・・・
「恐れ入りますが電話番号の前に186をつけて、ダイヤルするなど番号を通知しておかけ直しください。」
自動で応答されています。
このほかにも登録していない番号から電話があると、ランプが赤く光って注意を呼びかけるほか、自動で音声が録音されるようになっています。
(岡山市生活安全課/岡田昌彦 係長) 「犯人と高齢者の方の会話の機会をなくすというのが一番有効な手段だということで、こういう電話の方を導入させていただいております。」
オレオレ詐欺の被害にあった中区の80歳の女性は、8月下旬に補助を使ってこの電話機を設置しました。その後も知らない連絡先から頻繁に電話がかかってきますが、出ないようにしているということです。
(電話を設置した女性(80歳)) (設置されてよかったなと思いますか?) 「思います。安心します。不審な人はね、この電話は録音をしておりますって言ったらプチっと切ります。」
岡山市の補助事業では年間約200台の申請を受け付けていますが、昨年度は123台今年度は11月末現在で110台の申請に留まっています。
(岡山市生活安全課/岡田昌彦 係長) 「こういった商品があることを知らない高齢者の方たくさんいらっしゃいます。PRをしてですね、1人でも多くの方に利用していただきたいというふうに考えてます。」