官民一体となり神社のシンボルを守り抜きます。岡山県倉敷市の美観地区にある阿智神社の「阿知の藤」を回復させる取り組みが、9日本格始動しました。
倉敷市の阿智神社の「阿知の藤」は、推定樹齢が300年から500年。岡山県の天然記念物にも指定されています。
(記者) 「神社のシンボルともいえる藤ですが、幹には傷んでいる部分もあります。ここ10年は咲いたり咲かなかったりの状態が続いていたそうです。」
「阿知の藤」はだんだんと花の数が減り、2001年には枯れる寸前に。
(15年以上前から神社を手伝う/高鳥弘二 さん) 「だんだん衰えてきて、枝が伸びるのが細い。全盛期の時は太くていきいきしたのが伸びていて、それに花がついていたからね。」
再び元気な姿を取り戻そうと、神社は3年にわたる「阿知の藤」の回復プロジェクトをスタート。作業初日の9日は土壌の改良から進めます。土の中にあるコンクリートを取り除き、水はけをよくするのが目的です。
神社は今回、樹木医でフジ治療の第一人者塚本こなみさん(68)に協力を依頼しました。塚本さんの見立てではたくさんのつるが巻きついて、養分が行き渡っていないことが衰弱の原因です。今後は塚本さんの指導を受けながら、巻きついたつるをほどいたり腐った部分を取り除いたりするほか、藤棚の改修などを行います。
プロジェクトの費用は約1400万円で、岡山県が半分、倉敷市と阿智神社が4分の1ずつを負担します。
(阿智神社/新井俊亮 宮司) 「ガラッと変わって、また立派に多くの藤の花を付けていただいて、観光の方ですとか参拝の方に喜んでいただけるような藤棚に生まれ変わっていただければと思っております。」