困惑が広がっています。就労継続支援A型事業所の相次ぐ大量解雇で、2度の解雇を味わった障害者の家族からは先の見えない不安と憤りの声が聞こえてきます。
岡山県倉敷市のA型事業所に通っていた知的障害の男性の2月分の給与明細。箱の組み立て作業で得るはずだった、この7万円あまりの給料が振り込まれることはありませんでした。
(解雇障害者の母親はー) 「障害者を食いものにしてというか、簡単にとっといて、解雇ももうはい、きょうで終わりみたいなかんじですから、ばかにされてるっていうか、そういう怒りはあります」
A型事業所をめぐっては、助成金を目当てにした運営が問題視されていて、去年7月には、「あじさいの輪」グループが事業所を閉鎖し、280人以上を解雇しました。
一方フィルは破産を申し立てる方針だとして、3月16日約170人を解雇しました。
(記者) 「男性は、去年7月末に閉鎖したあじさいの輪グループが運営する事業所で働いていました。フィルが運営する事業所に再就職しましたが、母親は最初から不安を感じていたといいます」
(解雇障害者の母親はー) 「また、いつかはあじさいと同じことになるんじゃないかなっていう、ただもうその時点では先はどうあれ行くしかないみたいな」
19日、総社市は市内在住の障害者25人の再就職を支援するための対策本部を立ち上げました。また、倉敷市役所には共産党市議団が訪れ、再就職の斡旋と再発防止を申し入れました。
フィルは21日、元利用者を対象に総社市で説明会を開くことにしています。
(解雇障害者の母親はー) 「やっぱり親なきあとのことを考えてしまいますので、できることを生かして働ける場所ができればいいなと思います」