インターネットを通じて資金提供を呼びかける「クラウドファンディング」を、香川県高松市の小学生が行っています。目指しているのは、動物の命の大切さを伝える「絵本」を作って犬や猫の殺処分を減らすこと。挑戦を後押ししたのは、同じ小学生の取り組みでした。
高松市の小学6年生、中北愛葉さん(12)。幼い頃から犬や猫に囲まれて育ち、現在、犬2匹と猫3匹を飼っています。そんな愛葉さんが絵本を作ろうと思ったきっかけは、香川県の犬や猫の殺処分の現状を知ったことでした。
(中北愛葉 さん) 「飼い主さんとかが最後まで責任を持たずに飼ったりとか、自分から保健所に持って行く人もいるし、すごい残酷だなって思いました」
香川県では昨年度2509頭の犬が保健所に収容され、約75パーセントにあたる1875匹が殺処分されました。殺処分率は全国平均の25.8パーセントを大きく上回り、7年連続で全国ワーストです。(猫は77.8パーセントで全国ワースト17位)
3年前、愛犬「シルバー」を病気で亡くし、大きな悲しみを感じたという愛葉さん。多くの人に動物の命の大切さを知ってもらいたいと去年4月、県内の小、中、高校生ら11人でボランティア団体「ワンニャンピースマイル」を結成。犬猫の譲渡会でチラシを配ったり、ラジオ番組に出演したりして啓発活動を行ってきました。さらに、シルバーとの別れや団体の活動を「絵本」にしたいと考え、香川県出身の絵本作家藤田ひおこさんが協力してくれることになりました。
(記者) 「愛葉さんは資金を集めるため今年1月からクラウドファンディングを活用しました」
支援は3000円から10万円までの6つのコースがあり、リターン品には、活動報告書や完成した絵本のほか、手作りのブローチやトートバッグなども用意しました。
愛葉さんがクラウドファンディングに挑戦したのには、2歳年下の女の子の存在もありました。 2016年8月、インドでかき氷店を開こうと資金集めを行った高松市の小学4年生杉本七海さん(10)です。交通費や店の運営費など145万円を集めました。
(中北愛葉 さん) 「ななちゃんも頑張っているからこっちも頑張ろうって思いました」
愛葉さんは、杉本さんのプロジェクトに支援するとともにSNSを通じてメッセージを送り、今では家族ぐるみで交流を深めています。
(クラウドファンディングサイト「FAAVO香川」を運営/真鍋有紀子 さん) 「ななちゃんをみて、あのくらい活動の輪が広がっていくんだったら自分の手書きのポスターをはるだけじゃなくて、クラウドファンディングすることでもっと広げられるんじゃないかと」
愛葉さんが取り組むクラウドファンディングは、3月23日まで「FAAVO香川」のページで支援を受け付けています。
(中北愛葉 さん) 「学校とか図書館とか、愛護センターとか動物病院に置いてもらいたい。親子で小さな命の大切さを知ってほしい」