豪雨を乗り越え、復興の願いをこめた文化祭です。西日本豪雨で校舎の1階が浸水した倉敷市の真備陵南高校が、9日に文化祭を開き、地元の幼稚園児が招待されました。
復興の思いを込めた風船飛ばし。倉敷市真備町の真備陵南高校です。 西日本豪雨で浸水した1階は、現在も閉鎖中で、生徒たちは校舎の2階以上とプレハブを使っています。
文化祭の前夜祭では、全校生徒がプレハブ校舎の中の特設ステージに集まり、有志のダンスや腕相撲大会で盛り上がりました。
学校が被災し、一時は開催が危ぶまれた今回の文化祭。生徒たちは特別な思いをもっていました。
(生徒会長/小林彩さん) 「被災した地域の方々、幼稚園・保育園の子どもたちに、より楽しんでもらえるような文化祭にしてきました」
同じく被災した真備町の幼稚園児を招待するため、送迎バスなどの費用をクラウドファンディングで集め、準備を進めてきました。
(生徒はー) 「喜んでもらえると思う」
(生徒会長/小林彩さん) 「お金がどんどん集まっていくごとにやっぱりやる気も出ますし、応援してくれるんだっていう」
(記者) 「こちらは、全校生徒が作ったおよそ2000羽の折り鶴でできています。『響け、陵南の声~届けよう元気の輪~』と文化祭のテーマが書かれています」
そして文化祭当日…バスに乗ってやってきたのは、真備町の4つの幼稚園の約70人の子どもたちです。 絵本の読み聞かせやバルーンアート、他にも子どもたちは高校生が作ったゲームで遊びました。
(園児は―) (Q.何が楽しかったですか) 「ボウリングです」
子どもたちの様子に高校生も…
(高校生は―) 「うれしいです。楽しそうにしているところですね」
真備陵南高校では全校160人のうち、23人の生徒が被災しました。
(被災した生徒は―) 「被災しているんで、力をもらいました。小さい子から。結構、放課後遅くまで残って、でも喜んでもらえたからそれは全然苦じゃなかったし、楽しかったので大丈夫です」
豪雨を乗り越え、笑顔の輪が広がった文化祭。 真備陵南高校では、今後も地域のボランティア活動や地元の幼稚園児との交流会を行う予定です。
(川辺幼稚園/片岡政子 園長) 「大きいお兄ちゃんお姉ちゃんに一緒に優しくしてもらったり、作ってもらったりとか、いろんなことを助けてもらうことが、やっぱり心が安定してうれしいんだと思います」
(真備陵南高校/石田桂子 校長) 「ここに戻ってきたときに感謝の気持ちとか、思いやりの気持ちをもって地域に貢献したい、恩返しをしたいというのがもともとあって、幼稚園児もそうだし、うちの生徒も良い笑顔が見られたので、それが最高ですね」