「香川をデザインした」とも言われる和田邦坊の家にあった秘蔵品が、善通寺市の美術館で初めて公開されています。
(記者) 「君不老如花(きみおいず・はなのごとし)と読みます。これも和田邦坊のデザインです。今でも香川県の福祉手帳の表紙に使われています」
1899年、香川県琴平町に生まれた和田邦坊は、東京の新聞社で時事漫画家や小説家として脚光を浴び、地元・香川県に戻ってからはみやげ物のパッケージなど数多くのデザインを手がけました。その作品のほとんどがこの灸まん美術館に所蔵されています。 今回は、邦坊の家に所蔵されていた様々なパッケージデザインやはがきの原画など、秘蔵品150点余りが初めて公開されました。
(灸まん美術館 学芸員/西谷美紀さん) 「和田邦坊の生誕120年を記念してデザインの仕事に注目した展覧会になっています。初公開資料がほとんどで主に包装紙の原画や当時、収集したコレクションのデザインを展示しています」
作品の一つには、東京で現在も営業している蕎麦屋さんのデザインがあり、法被も作っています。邦坊は実に多くのデザインを手がけていますが、邦坊の名前や実績はこれまであまり語られることはありませんでした。
(灸まん美術館 学芸員/西谷美紀さん) 「本当に素朴で親しみやすいデザインばかりあります。この作品を見ていただくことで次、お土産を買うときの楽しみになっていただけたら」
灸まんや、かまど、山田家など、みんなどこかで見たことがあるデザインです。このため、邦坊は「香川をデザインした」とも言われています。 この作品展は9月16日まで開かれていますが、10月からも作品を入れ替えて展示されます。