西日本豪雨で被災した倉敷市真備町の男性は、全壊した自宅のリフォームを進めています。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で完了が遅れています。
倉敷市真備町。2018年7月の西日本豪雨で大きな被害が出てから2度目の春が訪れました。真備町の自宅が全壊した森田英之さん(45)。
1階の水道が1年8カ月ぶりに使えるようになりました。2018年7月の西日本豪雨で、森田さんの自宅は1階が完全に水に浸かりました。
家族5人は無事だった2階や、一足先にリフォームが終わった森田さんの両親の家などで暮らす日々が続きました。 そして、家を建てた時のローンを減額できる国の制度などを利用して、2019年12月からリフォームを進めてきました。
(森田英之さん) 「当時弁当支給していただいてた家族で2階で食べてたテーブルなんですけど」
壁や床の張り替えが終わり、少しずつ荷物や生活用品を運び込んでいます。3月中旬にはリフォームが完了し、家族5人で戻って来る予定でしたが。
(森田英之さん) 「ここがトイレのはずなんですけど、いつになるか分からない」
森田さんの自宅のリフォームを手がけている、倉敷市の小川建美です。森田さんの自宅を含めて3月から4月にかけて12軒の工事が完了する予定でしたが。
(小川建美 工務部/藤井雅治 部長) 「部品がそろわなくて、トイレが出荷できない状態になっている」
新型コロナウイルスの影響で、食洗器やトイレなどが国内メーカーから入荷できず、家の引き渡しが遅れています。
(藤井雅治 部長) 「部品が中国で作られているものが多い。組み立てができないと聞いている」
メーカーは現在、受注を停止していて5月以降に完成予定の住宅については見通しが全く立っていないそうです。
(藤井雅治 部長) 「本来なら1カ月遅れますとか2週間遅れますという返事ができるものではあるけど、どうにもできないもどかしさがありますね」
被災前の暮らしに戻るにはまだ時間がかかりますが、森田さんは前向きに捉えています。
(森田英之さん) 「今後直るめどがちょっと延びていっても物が増えていく喜びは常にあるので、待ち遠しいというよりは日々実感が増しているので私としては嬉しい。まずはこの場所で約2年間くらい家族で食事取れていない。そろって食事を取ったりとかテレビが来たものならみんなで見たりしてみたい」