新型コロナウイルスで外出が制限される中、がんと闘う49歳の女性がマラソンを完走しました。驚きはその走った場所。なんと自宅マンションのベランダなんです。
「今、誰か通った?」と思わず声を上げてしまいそうになる映像。走っているのは川崎市の木下和美さん(49)です。
神奈川県は緊急事態宣言の対象都府県で専門学校の講師を務める木下さんも自宅で過ごす時間が多くなりました。 その中で何かできることを、と思いついたのが「ベランダマラソン」です。
長さ約6メートルのベランダをひたすら往復します。飲み物や食べ物も室外機の上に用意して体制は万全です。
(ベランダマラソンに挑戦/木下和美さん) 「ホントにちょっと目が回るというか、あと、1階ではないので音が聞こえちゃったら非常に迷惑だと思うので、あまりドタドタ走れないので」
15年ほど前にダイエットのためランニングを始めた木下さんは、これまでにフルマラソンを21回ウルトラマラソンを6回完走した市民ランナーです。
ところが、夫の転勤で倉敷市に引っ越すことになった2017年12月、乳がんと診断され、その後肝臓にも転移していることがわかりました。
それでも、抗がん剤治療のかたわらマラソンを続け、2018、2019年とおかやまマラソンを3時間台で完走しました。実は今回の挑戦も、乳がんの手術を受ける大学の先輩を励ますためでした。
(ベランダマラソンに挑戦/木下和美さん) 「とにかくよくなってほしいと思って走ったんですよ」
朝8時から始めて途中、休憩などもはさんで10時間。べランダを3514往復して見事完走しました。
(ベランダマラソンに挑戦/木下和美さん) 「今までで一番つらいマラソンだったかもしれないです。次はベランダで障害物競争をやろうと思ってて。洗濯物干したり下をくぐるとか」
ちなみにインターネットで調べるとこれまでにベランダマラソンを完走した人は、世界で木下さんを含め6人。日本人女性では初めてだということです。