新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、ウェブサイトを無償で立ち上げ、情報を発信している人たちが岡山にいます。
新型コロナウイルスに関する、岡山県での1日ごとの陽性患者数や相談件数、累計などを分かりやすく伝えるウェブサイト。その名も「岡山県新型コロナウイルス感染症対策サイト・カッコ非公式」です。 岡山市の高校に通う男子生徒が中心になって開設しました。
(岡山県版STOP COVID19/代表 藤原出帆さん) 「行政から出てくる情報だけじゃ分かりにくいなと感じていたので、グラフだったり表だったりを活用することで、分かりやすい情報を提供できればなと思い、3月15日に公開しました」
非公式サイトを作成したのは、藤原さんと香川県丸亀市の中学生の2人。とはいえ、プロが作ったウェブサイトのように、デザイン、内容ともに充実しています。 実は、東京都が公式に運営している「新型コロナウイルス感染症対策サイト」がウェブサイトを作るための設計図を公開しています。藤原さんらはそれらを使いながら、岡山県版を作成しました。
(藤原出帆さん) 「データの更新に関してはほぼ自動化されていて、岡山県が公開しているオープンデータを活用して、毎日21時から24時の間に前日のデータを自動で更新するようになっています」
データ以外にも、感染が心配な時にどうするかや助成金などを紹介するなど、関連する情報をシンプルにまとめています。
開設から1カ月半が過ぎ、現在はウェブサイトの運営に20人が携わっています。そのうち藤原さんを含めて8人が中高生。そのほとんどが「学生エンジニア」として活動している生徒たちです。
(藤原出帆さん) 「私たちは学生エンジニアとして活動してるんですけど、なかなか社会に貢献できることがないので、こういう形で一般の方だったりに情報を伝えることができるページを作成できることに、モチベーションを高く持っています」
ちなみに丸亀市の中学生が中心になって作成した「香川県の新型コロナウイルス感染症対策 非公式サイト」も公開されています。
地図をベースに飲食店を記したウェブサイトは「倉敷テイクアウト・アンド・デリバリーマップ」。4月10日に倉敷市に住む女性が立ち上げ、無償で運営しています。
(NPO法人勤務/大塚さやかさん) 「外食がすごく好きで、もともと飲食業の仕事をしていたのもあって、飲食店が困っている今の状況をひとごとには思えなくって、できることをやろうと思って始めました」
現在、マップには美観地区を中心に約160店舗を掲載。飲食店に足を運び、チラシを手渡すなどして掲載店舗を増やしました。
(大塚さやかさん) 「(飲食店には)SNSで発信することが得意じゃない方もいらっしゃいますし、これを使ってもらえたらいいなと思います」
JR倉敷駅前商店街の「台湾ダイニング羅凰(らおう)」は、デリバリーを始めたタイミングで大塚さんから声が掛かりました。
(オーナー/大羅鉄成さん) 「いい企画するなというのを第一に思いまして、すぐに僕のお店に話をくれたのは、すごくうれしかったです」
羅鳳では、デリバリー用に単品で頼むと6000円以上する料理を組み合わせて「オードブル」として5000円で販売。客を獲得するための努力も続けています。
一方、JR倉敷駅前のデザートタイム・くらしきは、テイクアウト用に1週間かけて調理する「キーマカレー」などを開発し、販売を始めました。
(マネージャー/三戸龍家さん) 「うちはうちのできることを。他のお店もいっぱい困ってるので」
大塚さんは、常連客。マップを立ち上げ運営を続けているのは現在の状況を、お店とともに乗り越えたいという強い気持ちからだそうです。
(大塚さやかさん) 「普段なじみがある店が、このコロナウイルスが一旦終息した頃に、もしかしたらないかもしれないというのは、すごく辛いことなので、みんなで一緒に踏ん張り時かなと思います」