新型コロナウイルスの影響で自宅で過ごす時間が増える中、香川県立ミュージアムが家でも美術と触れ合える「おうちミュージアム」を始めています。
この日は特別展の展示室で、香川県の美術関係者や作家を招いて撮影を行いました。
(記者リポート) 「展覧会にまつわる動画の撮影が行われています。普段ミュージアムでしか見ることのできない作品を使いながら撮影をすることで、画面越しにも臨場感を味わうことができます」
香川県立ミュージアムではこれまでに歴史編、美術編など26本の動画を公式ツイッターで公開していて、動画の再生回数は21日現在でのべ1万5千回以上にのぼります。
職員自ら企画から動画の撮影、編集、投稿まで行っています。 展示のリアルさを生かして、フリップや身振り手振りを交えながら歴史や時代の解説をしたり、香川県ゆかりの彫刻家イサムノグチの作品を自宅で再現できるクラフトペーパーを配布したりなど、様々な工夫が施されています。
中でも高松城の秘密を探るため職員自ら体を張って解説をする「高松城下図屏風を走ル」は、人気の動画のひとつです。
香川県立ミュージアムは学校の休校などを受けて、3月10日から子ども向けの解説動画の掲載を始めました。 このように自宅で美術について学ぶことができる「おうちミュージアム」の取り組みは全国182の美術館・博物館に広がっています。
動画制作を行う職員はこの取り組みを通して、改めて美術に触れることの大切さに気付いたといいます。
(香川県立ミュージアム/酒井将年 専門職員) 「動画を撮影して気付いたんですけれども、やはり自分の目で見るときの光の届き方がやっぱりちがう、動画では伝えきれないものがどうしてもあるなと思いました。動画をきっかけに足を運んでくれる人がもっと増えたら、とても私もうれしいので」
香川県立ミュージアムは4月18日から休館していましたが、5月9日に再開し、現在は感染予防対策をとりながら展示を行っています。
(香川県立ミュージアム/酒井将年 専門職員) 「なかなか自由に外出をできるような状況ではないかもしれませんが徐々に、やっぱり自分の目で、足を運んで見ていただけたらというふうに思っております」