岡山県浅口市の小学生が翻訳した絵本が発売されました。翻訳をきっかけに、環境問題と向き合う12歳を取材しました。
倉敷市の喜久屋書店です。
海の環境問題を描いた絵本「プラスチックのうみ」。プラスチックごみが海にどんな影響を与えているか、美しい絵を交えてつづられています。元はアメリカの絵本で、日本語に翻訳したのは小学生です。
(喜久屋書店 倉敷店/白神礼子さん) 「子ども目線で書けるのもその年ならではなのかなと思いますし、すごいとしか言いようがないですよね」
翻訳を手掛けた川上拓土君、小学6年生です。
(絵本を翻訳した川上拓土君) 「(翻訳は)本当に夢みたいで、川上拓土、川上拓土、やったーみたいな感じで超うれしかったです」
拓土君は少年漫画が好きなどこにでもいる小学生。ただ、英語がとても得意です。当時9歳の拓土君。英語上達のためボランティアの観光ガイドをしていました。
本やDVDで英語を学び、小学4年生で英検準1級に合格。それでも翻訳は大変だったそうです。
(川上拓土君) 「ガイドは会話なので意味が通じれば大丈夫。翻訳だと原作の世界を壊さないように、日本語でもしっかりと伝わるようにしないと駄目なので。例えばここいきますよ、day、away、gray、bay。最後のエイが一緒なんですよ全部。日本語に訳すと別の単語になって、その代わり文章のリズムは崩さないようにと頑張りました」
日本語訳には、依頼した出版社の担当も驚いたといいます。
ごみで海が汚れきってしまった場面で出てくる文章。原書のタイトルにもなっていて直約すると「私たちが作っためちゃくちゃな状態」という意味ですが、拓土君はこう訳しました。
「ぼくたちにんげんのせいなんだ」
(小学館 児童創作編集部/田中明子さん) 「自分事としてとらえてる彼のそぎ落としたメッセージといいますか、それが伝わってくる感じがして、ズキュンときました」
翻訳をきっかけに環境問題への関心を高めた拓土君。
(川上拓土君) 「僕たちの世代が大人になってから、僕たちが頑張らないといけないから、僕たちに何ができるかを考えるようになりました」
拓土君の目標は、英語で本を書くこと。夢は着実に近づいています。
(川上拓土君) 「英語をしゃべれるとその分世界が広がるしより多くの人に伝えられるかなと思って、環境問題とかにもっと詳しくなって、より多くの人に伝えたい、伝えていけたらなと思いました」