人間が発症すると、ほぼ100パーセント死に至るとされる狂犬病。岡山・香川とも予防接種率が全国平均より低く、今年度は新型コロナウイルスの影響でさらに低くなりそうです。
人間の致死率はほぼ100パーセントといわれる狂犬病。スローウイルスと呼ばれるほど潜伏期間が長く、一度発症してしまうと有効な治療法はありません。犬やコウモリ、アライグマなどが保有し、かまれるとだ液を通じて感染し、人間が発症した場合、まひや幻覚などを引き起こします。
厚生労働省の調査によると、2018年度の香川県の狂犬病予防注射の接種率は58.3パーセントと全国平均の71.3パーセントを大きく下回り、都道府県でワースト3位。一方、岡山県は62.0パーセントとワースト8位です。 世界保健機関(WHO)がガイドラインで定める7割を満たしていません。
狂犬病予防法は4月から6月を注射月間に定めていますが、今年は多くの自治体が新型コロナウイルスの感染拡大防止のため集合注射を中止しました。この影響で例年より予防接種をする飼い主が少なくなっているといいます。
(獣医師) 「全国的に狂犬病の接種率が低いと感じている。香川県がワースト3位ということで、登録していても打たない飼い主がかなりいる」
国内では狂犬病の人への感染例は1954年を最後に見つかっていませんが、フィリピンから来日後に狂犬病を発症し、愛知県の病院に入院していた外国籍の30代男性が6月13日、死亡しました。入国前の去年9月ごろに犬にかまれ、感染したとみられています。
(獣医師) 「必ず年1回注射を打たなければいけないので注射してほしい。1匹感染してしまうと、犬から全哺乳類にかかってしまう可能性があるので、感染拡大してしまうことは懸念しなければいけないと思う」
(中濱綾那リポート) 「こちらに貼られているシールは、狂犬病の予防注射を終えると自治体や動物病院でもらえるものです」
愛犬に毎年予防注射をしているという証。シールを貼ることで、周囲に犬を飼っていることを知らせることも可能です。
(犬の飼い主はー) 「ペット買う人にとって当然の義務だと思う。人間の予防接種と同じ」 「狂犬病にかかってしまったら恐ろしい病気ですので、きちんとしたいと思う」
国は注射期間を年末まで延長し、飼い主にかかりつけや近隣の動物病院で接種するよう呼び掛けています。