田舎暮らしを体験できる「農家民宿」も新型コロナウイルスの影響で苦境に立たされています。岡山県吉備中央町の「農家民宿」は写真とSNSを使って、県内の観光客の誘致を目指しています。
岡山県吉備中央町で5年前から農家民宿を営む「みっちゃん」こと、田中美津子さん(68)。
新型コロナウイルスの影響でお客さんが来なくなり「みっちゃん」と呼ばれなくなってからもう半年が経ちます。
(農家民宿みっちゃん/田中美津子さん) 「全くお客さんありません。頭を悩ませるところですね」
吉備中央町では県外観光客の誘致を目指して、5年前に農家民宿13軒と協議会を立ち上げました。
農作業体験や新鮮な野菜を使った料理が人気を集め、観光客や海外からの修学旅行生など5年間で約850人を受け入れました。
しかし新型コロナウイルスの影響で3月以降、予約がほとんど入らなくなり営業を自粛しています。それでも。
(田中美津子さん) 「この田舎でいろんな方との出会いがあって、元気なうちは続けていきたい」
9月25日、2人の女性が田中さんの元を訪ねました。田中さんにとって久しぶりのお客さんです。2人は岡山県出身で、全国のカメラ好きの女性、約9500人が所属するサークル「カメラガールズ」の一員です。
この日は吉備中央町で取れた野菜を使って、ピザ作りを体験しました。農家民宿で撮影した写真をSNSで発信してもらい、県内の観光客を誘致しようと岡山県が企画しました。 吉備中央町も、中止になった修学旅行の代わりとして、岡山県南部の学校に「農家民宿」をPRしています。
(カメラガールズ/玄馬千夏子さん) 「移動にそんなに時間がかからなくてゆったりした時間が過ごせる、新たな発見。インスタグラムでいっぱい発信していこうと思ってます」
2人が投稿した写真からは、吉備中央町の豊かな自然とのんびりとした空気が伝わってきます。
(田中美津子さん) 「楽しかった。心のマスクがまだ取れないじゃないですか、だから(カメラガールズに)発信していただいて、来年に向けてコロナ終息の後にもっともっともっと吉備中央町の自然豊かな食べ物であったり自然だったり、楽しんでいただけたらと思います」