最後の運航を多くの島民が見送りました。香川県小豆島町の草壁港と高松港を結ぶフェリーが3月31日で運航を休止しました。
3月31日午後7時に草壁港を出る最後の便にはこれまで利用してきた地元の人たちが集まり、5色の紙テープで見送りました。
草壁港と高松港を結ぶフェリーは1970年から小豆島町の内海フェリーが運航してきました。2020年8月に経営を譲り受けた岡山市の両備グループが、同じ小豆島町の池田航路に集約することを決めました。
1日5往復していた草壁航路は3月31日で休止となり、折り返しで高松港から入った最終便の運航後には船長に花束が贈られました。
(荻津尚輝リポート)
「草壁港の切符売り場は閉まっています。ドアには高松・草壁間の運航休止の張り紙があります」
(草壁港の近くに住む人はー)
「学校の行事とかだったら遠足で高松に渡ったりしたこともあったし、寂しいものがあるなって正直思いました」
草壁港から約8キロ離れた池田港と高松港を結ぶフェリーは4月1日から1日3往復増え、11往復になります。
内海地区の住民の利便性を確保するため、2021年9月末まで草壁港と池田港を結ぶ無料の送迎バスを1日3便運行します。
国際両備フェリーは「不便がないようできる限りの努力を地域の方と一緒にしていく。安心して利用いただきたい」とコメントしています。
(草壁港をよく利用していた人)
「乗れる間は車で来てね、車で帰って。あとはもう年とったらバスかなあ。個人が努力せな仕方ないのかなと思いますね」
(池田港の近くに住んでる人)
「私は池田と土庄と両方使っているから内海の方は全然使っていない。便数が増えて私たちは便利になったんですけど」
草壁航路の存続を求める住民グループは署名を集めたり、決起集会を開いたりしてきました。現在は団体名を「小豆島・高松新航路就航の会」と変え、全国の旅客船事業者に草壁港への就航を呼び掛けています。
(小豆島・高松新航路就航の会 顧問/大川新也さん)
「高松の病院へ通うお年寄りはまだ結構いるんですね。そういった方が草壁航路でしたら歩いてでも港へ行けて船に乗れる。草壁の航路も復活してほしい。両方でやっていただいたほうがいいんじゃないかな」