岡山市の両備グループが小豆島の草壁港と高松港を結ぶフェリー会社「内海フェリー」の経営を引き継ぎ、2021年3月末での運航休止を11日、発表しました。
(記者リポート) 「小豆島町の草壁港です。来年3月にフェリーが休止するという発表を受け、落胆の声がひろがっています」
(乗船客はー) 「池田か土庄に行かなくてはなりませんね、不便になりますね」
(仕事で利用する人はー) 「今までは草壁に上がって、土庄に行って帰ってきていた。今後それができないから荷物が間に合わない場合がある」
内海フェリーは高松港と小豆島町の草壁港を1日5往復していて、昨年度の利用者は約16万4000人でした。 草壁地区には高齢者も多く、このフェリーを利用して高松市の医療機関に定期的に通っている人も少なくありません。
かつて内海フェリーは高松と草壁港を結ぶ高速艇も運航していましたが、船員の確保が難しくなり3年前に運航を休止しました。内海フェリーは既に高速艇を売却し別の新しい船を購入したため、草壁港からの高速艇を再び運航させることも難しいということです。
航路が統合される予定の池田港までの道のりは約8km、路線バスのダイヤはフェリーに合わせたものではないため、タクシーを利用する高齢者の交通費の負担が増えることも懸念されます。
両備グループは航路を集約し、高松港と池田港を結ぶ便数を現在の8往復から10往復に増やす方針です。 草壁地区の4つの自治会などは内海フェリーが両備グループに経営を譲渡すると聞き8月31日、小豆島町に航路存続の要望書を提出しました。
(草壁本町自治会長/肥田高成さん) 「昔から船が着くのが当たり前だという感じできてましたので本当に残念です。フェリーにこだわらず、航路が出来るようにいろんな声を上げていってやろうと思います」
小豆島町も航路存続に向けて引き続き働きかけるとしています。
(小豆島町/松本 篤 町長) 「歴史ある航路であり、住民生活に不可欠と思っているので休止は納得できない状況です。国や県と十分に連携させていただきながら航路事業者への働きかけを今後も継続していきたい」