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〈新型コロナ〉岡山県の人口10万人当たりの新規感染者数は"全国4位" 医療現場の現状は

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 岡山県では、直近1週間における人口10万人当たりの新規感染者数は東京都よりも多い57.99人で、全国で4位となりました。このように感染者が急増すると「予測」して対応している病院がありました。

急増を予測し病床を増やした病院

(松木梨菜リポート)
「こちらの奥が新型コロナの対応病床です。一般の人は立ち入り禁止となっています」

 総社市の薬師寺慈恵病院。時間外の救急外来も行う地域の急性期の病院です。この病院では、新型コロナの中等症の患者を受け入れています。

 連休前に岡山県からの依頼を受け、対応できるベッド数を5床から10床に増やしました。それに伴い、高濃度の酸素を患者に送れるよう配管の工事をしました。

(薬師寺慈恵病院/薬師寺泰匡 院長)
「病床数がひっ迫してきてるので、増床をできる限りお願いしたいと。重症病床もひっ迫してきているし、ホテルもいっぱいになってきてると。ホテル療養のリモート診療といいますか、遠隔診療をずっとやっていて。病院で過ごしてた方がいいのに、入院先がないから病院で過ごせないっていうのはやっぱり体制の崩壊なので、できる限りとは」

 総社市の医療機関で中等症の患者を受け入れているのはこちらのみ。増やした病床も連休中に埋まりました。

(薬師寺慈恵病院/薬師寺泰匡 院長)
「市内の方でも、突然救急に発熱でと来られたらその隔離病床に入れるしかない。そういった方と、新型コロナと診断された人とで連休中にいっぱいになってしまって、どうしようかなみたいな」

新型コロナに対応する病床…現在の数は

 岡山県の新型コロナに対応する病床の数は2020年4月は91床でしたが、現在は約4.5倍の412床になっています。香川県も約6倍に増えています。

 岡山県の病床の内訳をみてみると、岡山市民病院などの4カ所の指定医療機関と協力医療機関に重症者向けが合わせて43床、そして中等症などに対応できるそれ以外の病床が369床です。

 県は5月12日の対策本部会議で県内の医療機関に対し、可能な限り病床を増やしてほしいと要請しました。

(薬師寺慈恵病院/薬師寺泰匡 院長)
「今は救急車を呼んでも、必ずしもきちんと病院で診てもらえるかどうかというところに入りつつあるのかなっていう。誰かが残念ながらお亡くなりになってしまったから、次の人がぎりぎりは入れるとかそういう状況でどこも」

 全員が感染対策をして危機的状況を乗り越えられないと、医療もかなり危機的状況です。

 軽症者の宿泊療養施設は岡山県には2カ所あり、合わせて404部屋ありますが、5月12日時点で半分程度埋まっています。そして、新型コロナの病床使用率は5月14日時点で71.1%と、かなりひっ迫しています。

 薬師寺院長は危機的な状況を乗り越えるために、「飛沫感染を起こさせないことが大事。みんなの命を守るためにマスク・手洗いを徹底してほしい」と呼び掛けています。

 自分、周りの人たち、地域の医療を守るために、一人一人が対策を行うことが求められています。

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