まもなく西日本豪雨から3年です。今回は西日本豪雨で面積の4分の1が浸水した岡山県倉敷市真備地区の住宅事情についてお伝えします。
一時、約8800人が仮設住宅で暮らしていましたが、5月末の時点で704人まで減少しています。一方で、住まいの確保にあたり経済的な面で不安の声もあがっています。
倉敷市によりますと仮設住宅のうちプレハブなど建設型は市内に6カ所あり、2018年10月のピーク時には624人が暮らしていましたが、5月末時点では74人となっています。
賃貸住宅を県が借り上げるいわゆる「みなし仮設」には2018年12月のピーク時は8167人が暮らしていましたが、5月末時点では630人となっています。
災害救助法では、仮設住宅の入居期限は原則2年間ですが、国はこれまでに2度1年ずつの期限延長を行いました。
要件を満たした場合は最長で2022年7月5日まで入居できます。ただ、県によりますと今年の夏から秋にかけ多くの人が期限を迎えるということです。
被災者からは不安の声も――
倉敷市の市街地でみなし仮設に住む守谷さん夫婦は7月が入居の期限となります。
守谷さんは倉敷市真備町で約40年間暮らしていましたが、水害で住宅が全壊しました。
(守谷高子さん)
「半分真備に帰りたい、でも半分はこっちの方が便利。心の葛藤がある」
守谷さんは住宅を建て直すには資金繰りが厳しかったことや病院へ通う必要があることなどから、今の住宅に住み続けたいと考えています。「みなし仮設」の制度が終了すると、家賃や駐車代として約8万円負担が増えます。
(守谷重信さん)
「それは諦めている。ただ他のところを抑えて生活しないと仕方ない」
真備地区の復興計画に携わる岡山大学地域総合研究センターの三村聡さんは「国の被災者支援の財源には限りがありますが、継続的な支援が求められる人には自治体などが新たな方法を検討するべきだ」と話します。
(岡山大学 地域総合研究センター/三村聡 センター長)
「災害だけの話ではなくて一人も取り残さないためにどういう手立て、新しい補助金が使えるか、新しい施設が紹介できるか、市内全域の公営住宅を紹介するなど継続してやっていく」