高松空襲から7月4日で76年を迎えます。毎年行われてきた犠牲者の追悼式が新型コロナウイルスの影響で2年続けて中止となる中、遺族らが慰霊堂の清掃を行いました。
高松市中野町にある戦災犠牲者慰霊堂「六角堂」では、7月1日朝、遺族らで作る保存会のメンバー9人が伸びた木の枝を切るなど清掃しました。
六角堂では1956年から毎年、追悼式が行われてきましたが、新型コロナの感染予防のため2020年に続き、2021年も中止にしました。
(六角堂保存会/久米雪香 会長)
「忘れてないですね、遺族の方は。それを思うとね、やっぱりお掃除しとかなくちゃと思いますよ」
保存会会長の久米雪香さんは、2003年に慰霊碑を建立して以降、追悼式のニュースを見たという遺族ら7人ほどから「名前を刻んでほしい」と連絡を受けたと言います。
高松市の善生富子さん(72)も空襲で亡くなった叔父の名前が慰霊碑に見当たらず久米さんに連絡を取りました。
慰霊碑は県や市などの資料に基づいて名前が彫られていますが、空襲の犠牲者1359人のうち119人は身元が確認できていません。
(高松空襲で叔父を亡くした/善生富子さん)
「忘れないということが一番かなって思って。語り継ぐなんてしゃれたことはせんから、みんなが忘れなかったらいいんじゃないですかね。忘れないでほしいんです、それだけです」
六角堂保存会はメンバーの高齢化や経済的な理由から、2022年以降の追悼行事の形態について検討しています。
(六角堂保存会/久米雪香 会長)
「来年はどうなるか分かりません。だけど、せめてお掃除だけは続けていきたい」
7月3日午前中は、一般の参列者に向けてお堂を開けておくということです。