高松市の商店街でゲームを楽しむイベントが10日に開かれました。キャッチコピーは「香川が、ゲームを取り戻す」。2020年4月に施行された条例をきっかけに、ゲームの魅力や向き合い方を考えてもらうのが狙いです。
高松市の南部3町商店街で開かれた「Sanuki X Game」です。香川県内の学生やゲームクリエイター、商店街の店主らで作る団体が企画しました。
香川県ならではのゲームも――
(記者リポート)
「こちら、学生がプログラミングしたゲームを体験できるコーナーです。香川県民にはおなじみ、うどんの湯切りを活用したユニークなゲームもあります」
商店街に現れた妖怪たちをうどんの湯切りを振って倒していくというこのゲームは、香川大学、香川高専、高松商業高校の学生と生徒3人が協力して制作しました。
(香川高専 詫間キャンパス2年生)
「結構、達成感がすごいですね。いろんな小さい子から大人の方まで楽しんでいただけたのでよかったと思います」
(香川大学 創造工学部3年生)
「ゲームは遊んでも作っても楽しいなと思いますね」
人気ゲームをリアルで体験!?
ターゲットは、いわゆる「ゲーム愛好家」だけに絞ってはいません。高松東魚市場の協力で、アジやハギ、ウナギなどを網ですくうイベントには大勢の親子連れが参加。
あの「人気ゲーム」さながら、つかまえた魚と一緒に記念撮影し、魚を持ち帰ることもできます。
(訪れた人は―)
「楽しかった。つかまえるところが」
「たくさんの種類のゲームができて、とてもおもしろかったです」
「作られた(オリジナル)ゲームとかもあったので、新しくて楽しかったです」
制限時間は“59分59秒”
(記者リポート)
「商店街のさまざまな場所で行われているイベントをいくつクリアできるかを競うチャレンジもあります。制限時間は59分59秒。意識しているのはもちろん、あの条例です」
2020年4月、香川県が全国で初めて施行したネット・ゲーム依存症対策条例。子どものゲームの利用時間を1日60分までとする「目安」が盛り込まれ、全国的な話題となりました。
「香川が、ゲームを取り戻す」というイベントのキャッチコピーは一見、挑戦的にも思えますが、主催団体では「対立構造をあおる意図はない」と言います。
(主催団体「S・X・G」の中心メンバー/渡辺大さん)
「あの条例の良し悪しみたいな部分でずっと戦うんじゃなくて。こっちからもむしろ一緒に話し合いましょ、みたいな」
ゲームとの向き合い方を考える
特徴的だったのが、ゲームとの向き合い方を考えてもらおうと、ゲーム依存症の当事者や専門医らが意見を交わしたトークイベントです。
(ネット・ゲーム依存の治療に取り組む 三光病院/海野順 院長)
「快感を求めて、楽しいからするんではなくて、苦痛の緩和を求めた結果として依存症になるという考え方がある。(周囲の)理解がなくて社会から孤立してしまうことが起こり得ることが一番懸念されることなんです」
団体では、今後も定期的にこうしたイベントを開く予定です。
(主催団体「S・X・G」の中心メンバー/渡辺大さん)
「ゲームでもう1回街を盛り上げていくっていうか、ゲームと暮らしとが融合した街っていうのを僕らが最初に到達するんだっていう、そういうストーリーを描けてるんじゃないか」