香川県のネット・ゲーム依存症対策条例を巡って新たな動きです。
条例の施行前に県議会が行ったパブリックコメントに「不正があった」として、県民らが警察に告発状を提出しました。
高松市の高校を3月に卒業した渉さん(18・名字非公表)が15日午前、香川県内外の14人と連名の告発状を高松北署に提出しました。
告発で不正があったとするパブリックコメントは、香川県議会の条例検討委員会が2020年1月23日から15日間、条例の素案に対する意見を募ったものです。
寄せられた2686件のうち8割以上が条例に賛成する意見でしたが、情報公開請求で開示された「原本」には、似たような文言で短時間に連続して送られたものが多く見られました。
県議会は「パブコメは多数決ではない」としていますが、条例検討委員会では賛成と反対の意見の数を公表し、採決を行いました。
(山下洋平記者リポート)
「情報公開請求で開示されたパブリックコメントの原本では、意見を送った人の氏名や住所は個人情報だとして『黒塗り』にされていました」
告発状では「他人名義を許可なく、または、実在しない情報を使用し、県民の多くがこの条例の制定を求めているかのように偽造した可能性が高い」としています。
渉さんらは、容疑者は「不詳」として私文書偽造と行使の疑いで告発状を提出。警察は、「一時預かり」とし、今後、中身や証拠を精査します。
(告発状を提出/渉さん)
「愛知県のリコール(署名不正)問題がありまして容疑内容は違うんですけど、署名とかパブリックコメントというのは民意を表すものの一つだと思っているのでそこを偽造したとなると、僕自身も許せないですし民主的な政治に対しての挑発というかそういった部類のものなのかなと思いまして、しっかりと真実を明らかにしてほしい」
15日は、渉さんと母親が原告となり、香川県に損害賠償を求めた裁判の2回目の弁論も行われました。
原告側は、条例が憲法に反することが明らかなのに県議会が改正や廃止などの措置を怠っている、いわゆる「立法不作為」に加え、条例を制定したこと自体も違法だとする主張を追加しました
次回の審理は6月14日に行われます。