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庄屋の屋敷が国の文化財に 五右衛門風呂が楽しめるゲストハウスとして活用も 香川・三豊市

 2021年7月、香川県三豊市の屋敷の建物や石塀などが国の登録有形文化財に指定されることになりました。歴史ある建物の一部は、今もあることに活用されています。

「鳥取邸」の歴史をたどる

 7月14日、三豊市豊中町の「鳥取邸」が報道陣に公開されました。

 「鳥取邸」は、江戸時代に庄屋としてこの地域を治めていた「鳥取家」が分家のために建てた屋敷です。鳥取邸のすぐ近くには、今も鳥取家の本家が残っています。高円宮妃・久子さまはこの鳥取家の出身です。

 鳥取邸は当時の笠田村の4代目村長を務めた鳥取柔三郎が主屋などを建てました。

 大正時代に一部が火災で焼けましたが、その後、柔三郎の長男、富士男が建て直し、新たに2階建ての新座敷などを造りました。

 鳥取邸は明治から昭和にかけて、それぞれの時代の建築技術を今に伝える貴重なものとして、国の文化審議会は「門」や「石塀」なども含めた12件について、登録有形文化財にするよう文部科学大臣に答申しました。

(香川県教育委員会 生涯学習・文化財課/石田真弥さん)
「生活に関する施設も数多く現存されておるので、屋敷構えとしても地域性を良く示しておりまして、あとは暮らしぶりというものも建物の配置からよく読み取れるというような場所になります」

今も昔も「ゲストハウス」

 国の登録有形文化財に答申された「新座敷」は、今ちょっと変わった使われ方をしています。

(鳥取邸を管理/鳥取康治さん)
「いらっしゃいませ。こちらはゲストハウスとして使われています」

 新座敷は2016年から「ゲストハウス花鳥苑」として活用されています。この新座敷を含めて現在鳥取邸を管理しているのは、柔三郎のひ孫にあたる鳥取康治さんです。

(鳥取邸を管理/鳥取康治さん)
「もともと私のおじいさんがお客さん用に建てた。そういう意味では『ゲストハウス』として建てた建物でありまして」

 80年以上前に建てられた「ゲストハウス」は、洋間と和室、両方ある造りが人気です。さらに、昔ながらの「五右衛門風呂」に入ることができるのも魅力の1つです。

(鳥取邸を管理/鳥取康治さん)
「ご利用いただいているお客様は非常にこの、殿様気分にひたってですね、なかなか非日常の経験ができたということで喜んでいただいているお客様が多いですね」

持ち主の考え方が文化的価値を上げる

(鳥取邸の調査を担当した建築家/多田善昭さん)
「時代がたくさんのものが並んでいますので、それを見せることができる、体感することができる。普通なら五右衛門風呂を直してですね、新しいユニットバスにしてしまうようなことをされないで、それを伝えようとする鳥取さんの持ち主の考え方、進め方というのが大きくこの建物の文化的価値を上げていくってことになると思います」

 建築家の多田義昭さんは、登録有形文化財の指定に向けて建物の調査などに協力しました。

 多田さんは国の重要文化財善通寺市の旧善通寺偕行社や、三豊市の文化財になっている本山寺の五重塔などの耐震修理を手掛けました。

(建築家/多田善昭さん)
「鳥取さんは友人ですので、特に何かあれば手伝いをしたり相談に乗ったりしてるんで」

 3年にわたる調査で多田さんは、鳥取邸が何代にもわたって多くの建物が造られ保存されていることに意義があると考えてます。

鳥取邸を次の時代へ

 新型コロナの影響で、「新座敷」を活用したゲストハウスも利用者が少ない状況が続いています。

 それでも、鳥取さんは文化財への登録をきっかけに改めて建物の存在や価値を知ってもらうとともに、多くの人に使ってもらいながら次の時代へ受け継ぎたいと考えています。

(鳥取邸を管理/鳥取康治さん)
「息子もね、私と同じように古いものに関心があるので、息子の代までは守ってくれると思うんですけど、それからどうか先は願いとしてはさらに残していってもらえればと思っております」

 香川県は、今回新たに登録されるものを含めると国の登録有形文化財が427件になります。ちなみに岡山県では、倉敷紡績記念館や岡山禁酒会館など342件が登録されています。

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