同じ版を使って多彩な色使いが出来る「消しゴム版画」の作品展が、高松市のギャラリーで開かれています。
80個のリンゴが並ぶ作品「RINGOの森」。一つ一つの輪郭はそろっていますが、輝きは違っていて、それぞれのリンゴの個性が出ています。こちら、一つ一つ版を重ねて出来ているんです。
高松市在住の消しゴム版画家・大倉朗人さんは15年前、47歳の時に年賀状作りがきっかけで独学で消しゴム版画を学び、多くの作品を手掛けてきました。
会場には制作してきた作品、135点が展示されています。
大倉さんが版画制作で使うのは、はがきサイズの消しゴム板と2本の彫刻刀、そして水性と油性のインクが約200色。どれも普通の文具店で買ったものだそうです。
(消しゴム版画家/大倉朗人さん)
「非常にフラットなんだけれど、力があって、色が鮮やかで柔らかいという独特の雰囲気があって面白いなあと。好きじゃないと続けられないので、そういうものを見つけられてよかったかな」
作品「海と駅と空と」は、同じ版を使って色彩を変えることで、JR予讃線の下灘駅がいろんな表情を見せてくれます。
そこに吹いている風やにおいまでも違って感じることができる柔らかな作品が数多く展示されています。
「大倉朗人の消しゴム版画展」は、28日までサンポートホール高松の市民ギャラリーで開かれています。