岡山市の両備ホールディングスが「学べる環境」を整えたバスを14日から運行します。
14日から運行を始めるバスは、その名も「学び場ッス」です。車内には漢字検定1級といった難しい資格試験の問題が掲示されています。
(記者リポート)
「このように、座席に座るとキャラクターが学びたくなる一言を伝えてくれます」
主にマイカー通勤の人がターゲットで、バス通勤に替えることで移動時間を学習に使ってもらおうという企画です。車内には無料Wi-Fiやデジタル機器を充電できるUSBポートを完備しています。
車内アナウンスでは勉強を妨げないよう、いつもより「優しい」トーンを徹底するそうです。
両備ホールディングスによりますと、路線バスの利用者は、新型コロナ以前も毎年2%ずつ減っています。さらに、新型コロナの影響で2020年度は、前の年から約20%も減ったということです。
両備グループではこうした苦境を打開しようと、2022年1月から「宇宙一面白い公共交通を目指すプロジェクト」として毎月特別バスを運行し、通常よりも乗客を増やしました。
1月には車内に星空を映し出すプラネタリウムバスを企画し、乗客が通常よりも4割も増えました。今回の企画でも、バス通勤の新たな価値を提案することで利用促進につなげたいとしています。
(両備ホールディングス/松田敏之 社長)
「マイカーでは運転に集中する時間になりますので、公共交通に乗ることによって皆さんの自由な時間を使って、バスの中で学んで人生を変えていただきたいなと思っております」
「学び場ッス」は4月14日から30日まで、岡山駅から玉野エリアの間で運行します。
「バスを利用しているか」を聞いてみた
Park KSBアプリで視聴者の皆さんに「バスを利用しているか」を聞いてみたところ、85%の人が「利用していない」という結果になりました。
そして、「利用していない」と答えた人にその理由を聞いてみると、351人中131人、4割近くの人が「マイカーを利用するから」「車の方が便利だから」と回答していました。
車の方が時間を短縮できるケースは多いかもしれませんが、今回の「学び場ッス」のように、通勤時間を勉強など「自由に使える時間」と捉えると、公共交通機関の違った価値も見えてきそうです。