香川県独立の父といわれる中野武営に関する写真などのデータを「デジタルアーカイブ」として活用する取り組みが、香川大学の研究所で始まりました。
(記者リポート)
「中野武営のデジタルアーカイブ化により、新たな武営像が浮かび上がるかもしれません」
4月に開所式が行われた香川大学イノベーションデザイン研究所では、「時空間デジタルアーカイブ」という新たな取り組みを行っています。
この取り組みではまず、対象となる人や物の写真や動画などを集めます。続いて、撮影場所や撮影日時などの「メタデータ」と呼ばれる付加的な情報を加えてデジタルのデータファイルを作ります。
そして、これらをWEB上で公開して学生やそれ以外の人にも自由に使ってもらうことで、教育や観光、海外への情報発信などに活用しようというものです。
(香川大学創造工学部 創造工学科/國枝孝之 准教授)
「写真に対し『どこで撮った写真か』『いつ撮った写真か』この2つを重視してデータを付与していこうというのが、このアーカイブの狙いです。『時空間デジタルアーカイブ』と言ってます」
こちらの研究所が時空間デジタルアーカイブの最初の対象に選んだのが、「香川県独立の父」といわれる中野武営です。
中野武営は明治から大正時代にかけて、政治家として、実業家として香川や東京で活躍した人物です。研究所では中野武営の情報を「時空間デジタルアーカイブ」にすることで、新たなサービスを生み出すことを目指しています。
例えば、武営が生きた時代の暮らしや渋沢栄一ら関係者の相関図などを、AIの技術により自動的に動画にして紹介することなどを想定しています。
武営の写真を管理する松平公益会では、大学側との共同作業について近く協定を結ぶことにしています。
(松平公益会/佐伯勉 理事長)
「無尽蔵の空間があるのでそこに入れて自由に活用していく、それだけでは面白くない。第2、第3、第4の中野武営、それをどういうふうにして、これから集めて仕分けして情報を発信していくのかが大事」