農家の手間の解消が期待されるアイガモのロボット。岡山県真庭市で実証実験が始まりました。
水を張った田んぼを規則正しく動くロボット。その名も「アイガモロボ」です。
スクリューで土をかき混ぜて水を濁らせ、光を遮ることで雑草が生えにくくしています。
先端技術を使ったスマート農業を進める真庭市と真庭農業普及センター、東京の農業ベンチャー、有機米デザインが共同で始めた実証実験です。
無農薬の米の栽培で最も手間がかかるとされる除草作業の負担を減らす取り組みです。
アイガモロボの元になったのは無農薬の米づくりである「合鴨農法」です。
合鴨たちが土をかき混ぜますが、えさや逃走防止のネットが必要なことや天敵に襲われることもあるのがネックでした。
重さ12キロのアイガモロボはGPSで水田を認識し、太陽光パネルで自家発電しながら動き続けます。
(有機米デザイン ロボ開発部門/西内徹 部門長)
「試作を重ねて、いろんなスクリューの形があったが、稲を抜くようなことがないスクリューの形。高齢化している農家さんたちの力添えができたらなということで、アイガモの特徴を使いました」
アイガモロボは2022年、全国33都府県、200カ所以上で実証実験を行っています。
(地元の米農家は―)
「無農薬は手が掛かるイメージがあるので、雑草対策とか、手が出ない(的な)。とても素晴らしい機械だなと、これがあれば無農薬にも取り組んでいける人が増えるのではないか」
真庭市によりますと市内の2020年の農家の数は4385軒ですが、5年後の2025年には約1000軒減って3385軒になると予測しています。
(真庭市農業振興課/河野成志 主事)
「担い手不足や農業者の高齢化によっていかに農業の手間を減らすかが重要になってきているところです。こういったアイガモロボやスマート農業の機械を使って、省力化を進めていただけたらと思います」
アイガモロボの実証実験は9日から3週間行われ、雑草の生え方などを比較します。